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142.散歩 ページ42

 縁側で姉弟と話をしていると、

 しばらく散歩に出ていた

 杏寿郎が帰ってきた。


「ただいま戻りました!」


 大好きな声が聞こえて、私は慌てて玄関へと駆けた。

 そこにはお野菜をたくさん抱えた彼の姿があった。


「杏寿郎、どこを散歩していたの?」


「川辺を歩いてきた!

 この辺りは自然が豊かで素敵なところだな!

 途中、道端で転んで足を痛めたご老人がいてな、

 家まで送ったところ、お礼にと野菜をいただいた!」


「そうだったのね。」


「これは君のご家族に。」


 杏寿郎が玄関を上がった時、

 ふわりと甘い匂いが鼻をくすぐった。


 この匂いは…




「金木犀…」


「ん?」


「髪に金木犀の花が…」


 彼の髪の毛には無数の金木犀の花がついていた。


「ああ、散歩に行った時にどこかでついたのだな!」



 私が背伸びをして彼の髪についた花びらを取ると

 彼は朗らかに笑った。



「ありがとう!ゆっくりできたか?」



「うん!杏寿郎、ありがとう。

 そろそろ屋敷に戻りましょう?」



 彼は片方の手で私の頭をくしゃくしゃっと撫でて、

 家族の元へ挨拶をしに行ってしまった。




 二人で生家を出ると、家族みんなが門から出てきて

 手を大きく振ってくれている。



「煉獄くん、今日は来てくれてありがとう。

 来年の夏を心待ちにしているよ。」



「A、身体を大切にね。またいつでも帰っておいで。

 杏寿郎さん、この子のことをよろしくお願いしますね。」



「A!あんたは私たち家族の自慢だよ!

 姉ちゃん、ずっと応援しているからね!」



「きょーじゅろーにーちゃん!

 ねぇーちゃんと仲良くね!!」




 私たちは顔を見あって微笑み合うと、

 深くお辞儀をして手を振り返した。






 いつもは一人で歩いていた道を

 今は二人で歩いている。




「今日、君の家に行ってみて改めて感じた!

 君は家族にとても愛されているし、

 君自身も家族を愛している。とてもあたたかいな。」



「熱苦しく感じる時もあるけれどね。大好きな家族だよ!」



 私の歩幅に合わせて歩く彼は

 いつ見ても、どの角度から見ても、完璧で…


 それは心も同じ。




「ねえ、杏寿郎?」



「ん?」



「あなたは本当にどこまでも素敵な人なのね。」



「ははは!突然そんなことを言われると照れるな!」






「私ね、あなたが行っていた場所、分かるの。」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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