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129.永遠の愛 ページ29

夏風がさらさらと私の髪をさらい

 杏寿郎の瞳には頬を赤くした私が映る。



 いつもとは違う彼の雰囲気を感じて

 何だか息が苦しくなっていく。



 杏寿郎は私の前に片膝をつくと

 懐から小さな箱を取り出してゆっくりと開けた。



 そこにはきらりと光り輝く紅い大粒の宝石と

 星が瞬くような輝きを纏ったダイヤがその横に

 散りばめられた指輪なるものが入っていた。



 彼は頬を赤くしながら優しさで包むような声で

 私に言った。



「A、君を一生愛することを誓う。




 俺と結婚してくれませんか?」




 何て幸せなのだろう。


 目の前には最愛の人がいて、

 その人から永遠の愛の誓いをされたのだ。

 木漏れ日を集めて光る彼の瞳は

 まるで指輪の宝石そのもの。




 込み上げてくる想いが熱い涙となって

 私の頬を静かに濡らしていく。



 答えはひとつしかない。



「はい。喜んで。」



 私が涙を流しながら微笑んで返事をすると、

 杏寿郎はその様子を優しい瞳で見つめて、

 箱から指輪を取り出した。


「左手を。」


 そう言われて左手を差し出すと、

 彼は私の薬指に指輪をはめた。


 薬指できらきら輝く光は、

 二人のことを祝福してくれているように思えた。

 
 
「杏寿郎、ありがとう。

 とても幸せだよ。

 こんな素敵な指輪と言葉をいただけて…」


 私は左手に右手をぎゅっと重ねると、

 自分の胸にその手を当てて微笑んだ。



「喜んでもらえて良かった!

 実はとても緊張していたんだ。」



「そうなの?」



「万が一、断られてしまったらと考えると眠れぬくらいにな。」



「それはたとえ天と地がひっくり返ってもないよ!」



 私があまりにも勢いよく言うものだから、

 彼は目を丸くして驚いた。



「ははは!それは嬉しい。」



「いきなり大声出してごめん…恥ずかしい…」


「君のそういう素直なところも好きだ。」



 恥ずかしくて顔を覆っていた私の両手を

 彼は静かにとるとそのまま手を握って私の唇に口づけた。



「照れている君は一層可愛らしい。

 これから先何十年と、君の色々な顔をそばで見たい。

 生涯を共に歩んでゆきたい。」



「私も杏寿郎と一緒にこの先の人生を歩みたい。

 どうぞよろしくお願いします。」




 青く澄んだ空、何百年と生きている大きな木の下、

 桔梗の花が風に揺れ祝福する中で、

 私たちは未来の約束をした。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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