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115.仲間だから ページ15

「田所少年!谷山少女!

 すまない!大事はないか!?」



「はい!怪我はしていませんが、

 鬼の血鬼術により身動きが取れず逃してしまいました。」


 血鬼術を使うのか…

 洞窟にいる時も並々ならぬ力を感じた。

 しかし、目に数字は刻まれていなかったから

 十二鬼月ではないはず。



 相之助くんは言葉を続けた。



「1つ気になることを言っていました。」




「気になること?どのようなことだ?

 田所少年、詳しく教えてくれ!」




 相之助くんの話によると、どうやら狼鬼は

 "あの方に血を分け与えてもらったから力がみなぎっている"

 と言っていたそうだ。


 あの方…

 それは鬼の始祖である鬼舞辻無惨に違いない。



「杏寿郎、急ごう。街の人たちが危ない…」



「うむ。二手に分かれて捜索しよう!

 市街地は碁盤の目のように道が整備されている!

 Aは谷山少女を連れて西側から

 俺は田所少年と共に東側から鬼を追い詰める!」



 大きな満月が浮いているような黒い空の下

 私たちは日輪刀を携えて闇の中へと向かって行った。






 鉛のような酷く重苦しい空気の中

 私と花子さんは市街地の西側へとやって来た。



「煉獄様が良かったな…」


 彼女は無意識なのか小さな声でそう呟いた。


「…私でごめんね。」


「あっ…!!いえ…!!ご、ごめんなさい。」



 花子さんはきっと嫌味であのようなことを

 言うような人ではない。


 きっと心から思っている素直な感情なのだろう。

 だが、それが素直な感情であればあるほどに、

 私の心を深く抉る。




「大丈夫だから謝らないで。


 花子さんは嫌かもしれないけど…

 私は花子さんと一緒に戦えて嬉しいの。

 鬼殺隊に入る女性は男性よりも少ないから

 仲間がいるのは心強い。任務、頑張ろうね!」



 私の言葉に花子さんは顔を赤くしながら下唇を噛んだ。



「わ、私になんか…優しくしないで…ください。」



「う〜ん…それは無理かな。」



「えっ…」


 私は彼女の肩に手を置くと、優しく微笑んだ。



「さて、街の人々に注意を呼びかけながら鬼を探そう!

 花子さんはこちらからお願い!

 私は道の向こう側から回るね!」



「Aさん…」



 どんなことを言われたって、どんなことをされたって

 人に優しく、そして人を守ると誓ったから…

 冷たくすることなどできはしない。




 何より花子さんは大切な仲間だから。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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