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19.桔梗の簪 ページ19

「これ、Aに

 よく似合うと思うんだ。」



「え!?こんな綺麗な簪を私に?」



「うん。大好きな君にあげる。」



 あれ…?


 これは…夢?






「カアア!」



「ん…」



「オキテ!朝!朝ダヨ!」



「ん〜、ん!?」



 目を開けると目の前には漆黒の翼…



「あ…和咲(かずさ)、おはよう。」



 和咲は私の鎹鴉。


 少し心配性なところがあるけれど、


 情報の伝達が早くてとても頼りになる相棒のような存在だ。




「やっぱりさっきのは夢か…」




 身体を起こし、机の引き出しを開けて簪を取り出すと、


 朝日を浴びてキラキラと輝いた。



 いつも身につけている桔梗の簪。


 寝る前は取って壊れないように


 この引き出しにしまっている。



「ソレ…」


 和咲は私の肩に乗ると頬に擦り寄った。


 
「これはね、前に亡くなった彼からいただいたの。」



「A、イツモツケテイル」



 私は和咲の頭を撫でて微笑んだ。




「朝餉の準備をしようかな。

 和咲、起こしてくれてありがとう!」



「カアア!」



 担当地区が変わってからというもの、


 私は生家を離れて一人で暮らすようになった。


 階級が上がると報酬も増えるため、


 それなりの家に住むことはできるが、


 私はどのみち住むのが一人なのであまり大きな家ではなく、


 こじんまりとした家に住むことにした。




「このくらいが丁度良い…」



 広すぎても掃除が行き届かなくなるだけ…




 朝餉の準備をしようと着替えるために


 浴衣を脱いで襦袢(じゅばん)姿になった時だった。



「A!!」



 不意に勢いよく襖が開けられた。



「…!?」



 驚きのあまり声が出ず、私は固まってしまった。



 

 そこに現れたのは



 なぜか髪に葉をつけ、



 息を荒げて肩を上下させている



 私の同期、杏寿郎だった。





「き、着替えていたのか!!


 すまない…!タイミングが悪かった!!」



 そう言い放つと、杏寿郎は襖を閉めた。




 静まり返った部屋で一人、冷静に考える。





 ん…?




 んん???




「え、ええ!!??」




 ど、どういうこと!?




 なぜ家に杏寿郎が…!?





 というか、み、見られた!?

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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