24.“逸材” ページ24
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遺骨を丁寧に拾い、骨壷に収めていく。
表情は変えないが、その目には光が揺れている。
きっと涙を堪えているのだろう。
「宿儺が全部消えたら、呪いで苦しむ人が少しは減りますか。」
「勿論。」
蓋を閉じ、目を瞑ると決意を宿した表情でこちらを向いた。
「…あの指、まだありますか?」
「ん。」
「…やっぱり気持ち悪いな。
というか、よく呑み込めたなぁ…」
指を渡すと、あからさまに嫌そうな顔をし、口を開けた。
ゴクン…と部屋に嚥下音が響く。
さて、2本目…10分の1か。
どうなる?
「う、うぅ…」
Aは口と喉を抑えて唸った。
あの模様が浮かび上がっている。
念の為臨戦態勢を整える。
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「つ、爪が喉に…!グサッ、て!」
顔を上げると模様は消え去っていた。
呑気な様子に思わず笑ってしまう。
確定だね。
肉体の耐性だけじゃない。
宿儺相手に難なく自我を保てる。
千年生まれてこなかった逸材。
「…どうしましたか?」
涙目で水をゴクゴクと飲むと、笑っている僕に気づいてペットボトルから口を離した。
「…いや、なんでもない。」
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甘蜜 蜜華(プロフ) - 駄犬さん» 好きです!頑張ってください! (2021年1月14日 15時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 甘蜜 蜜華さん» ありがとうございます!空白の部分はこだわったのでそう言っていただけるとありがたいです! (2021年1月14日 15時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜 蜜華(プロフ) - わぁ!……わぁ!(空白の部分の読み方に感動して、語彙力低下中。) (2021年1月13日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
駄犬(プロフ) - 柊さん» うわ!本当だ!言われて気づいた…(--;) やったぁぁぁ!ありがとぉぉお!これからも頑張るね!!呪いの王も楽しみにしてる!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: b9e2d575e7 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - こんばんは!柊です!!いつも更新お疲れ様ですそして!!お気に入り登録者数300人突破おめでとぉぉぉ!!!これからも巡り巡って楽しみにしてます!!してます!! (2020年12月14日 23時) (レス) id: 4b9950989a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:駄犬 | 作成日時:2020年11月23日 20時