先輩以上になりたい！【竈門炭治郎】

19,感情が分かる？ ページ21

「でも俺は鼻が効くから嫌じゃないってすぐ分かったけどな。」


それを聞いてあーそっか。なんて思ってしまったけど直後によくよく考えたら鼻で感情が分かるというのは、普通に考えて有り得ない事に気がついた。

誰かが、「竈門先輩は鼻がめっちゃ良いらしいよ。」とか言っててそれで初めて知ったけど。
誰だっけ？まぁいいや。

『え？じゃあ鼻で感情が分かるんですか？』
話を繋げていなかった事を思いだし、咄嗟に疑問をぶつけた。
「そう、普通有り得ないでしょ？でも感情が分かっちゃうんだ。」
はいはい。
『魔法の鼻ですね。』適当に言い放つと
「えへへ、ありがとう。」と、褒めてるつもりは無かったけど竈門先輩は謎に照れている。
ズレてるな。この人。


「そういえば、我妻善逸って言う二年生は知ってる？」
『知ってます。』
我妻先輩というのは、見かけると必ず叫んでいる先輩。(どういう紹介？)
叫んでいる事に関しては、私は別に迷惑じゃないけど、周囲の人の事は配慮してないんだろうなって思う。

我妻先輩の事を振り返っていると
「善逸も五感の一つ、聴覚で感情が分かるんだ。」と竈門先輩が言った。
『へぇー。もしやお二方、異世界から来られたのですか？』

少しからかうと、
「善逸も俺も、ちゃんとこの世で生まれ育ったぞ！」
と頬をほんのり赤くし、膨らませていた。
『あはは、ごめんなさい。からかいました。』
言いながら、作り笑いをした瞬間。

「♪〜 お風呂が沸きました。」
と何処からかポップな音楽とボーカロイドが発したようなボイスが聞こえた。

私は立ち上がり、
『じゃあ、入ってきますんで。一応伝えておきますが、多分私のテンションが入る前と後じゃ全く違うと思いますんで。じゃっ。』

そう言うと竈門先輩は
「そっか。ゆっくりお湯に浸かってね。」と微笑んだ。


それに対して私は微笑み返しながら手を1秒だけ肩の前に上げ、早歩きで風呂場に向かった。

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