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30 事件 ページ31

炭治郎side


複雑な心境の中、後日。

時間は放課後で日が落ちるのが早く外は暗くなり始めていた。
借りた資料を返すために職員室に鍵を取りに行くと冨岡先生が俺にすぐさま話しかけた。


「竈門、隣のクラスの背が高めのガタイがいい奴見なかったか」

「えっと………?」


冨岡先生はどうやらその生徒の名前を知らなかったようで容姿がどうであるかを必死に話す。
もしかしてAを取り囲んでいた男子の一人ではないだろうか。
先生の話を聞く限りその生徒のようだ。


「俺も名前は知らないのですがどんな人かは分かりますけど……」

「それなら良かった、そいつがどうやら体育館倉庫の鍵を持ち出した犯人らしくてな…」


先生はめんどくさそうな顔をする。
鍵の保管場所を見ても確かに体育館倉庫の鍵は無かった。


「まだ奴は家に帰ってないようだし見つけたら教えてくれないか?もちろん俺も探す」

「はい、分かりました」


急いで資料を返してどこにいるのか校舎を回る。
帰宅しようとしている生徒でごった返す。
人ごみを通り抜けるもそれらしき人物はいなかった。

……やはり帰ってしまったのだろうか。
なんでそんな面倒なことをするのだろう。
なにか理由があるとは思うのだけど。

俺は体育館倉庫へと足を進める。
実は鍵が刺さったままとかだったりして。

広い体育館にキュッと上靴の音が響く。
それと共に不規則な雑音が耳に入る。

どこからの音だろうか。
それは体育館倉庫に近づけば近づくほど分かりやすくなる。

パチン!という破裂音。
ミチ……となにかが擦り合わされるような音。
ガタン!物が動くような音。

そして何よりも少し甲高い声が乱れながらも耳に入ってくる。
複雑で分からなかったとしても近づけばすぐに気づいてしまった。

………Aがいる。

悲鳴だ、悲しい匂いだ。

倉庫の扉はしっかりと閉まってはいるが施錠はされていないだろう。
確か内側からは鍵はかけられない仕組みになっているはずだ。

鼻で思いっきり空気を吸い込めば痛々しく拒絶したいくらいの匂いがする。
先生を先に呼ぶべきだろう。
それは俺くらいにも分かっている。

しかし手は自然と扉に伸びていた。

キィ………と扉の金属音が響く。

体育館倉庫の内部は外からの光で明るく照らされる。


「…………!!」


それはそれは衝撃的な光景だった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:恋愛
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月5日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - chiaki0708さん» 本当に感謝です、指摘いただいてなかったら一生あのままでした…泣 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 77e8970457 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - 俺の???彼氏???夢主ちゃんおとこ? (2021年12月3日 22時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - りんないさん» コメントありがとうございます…!夢主ちゃんとことん可愛く脚色させて頂きました、私も可愛く生まれたかったです(笑)更新遅めですが頑張らせて頂きます! (2020年6月8日 1時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
りんない - 炭治郎がいろいろ困ってるのかわいすぎます…!夢主ちゃんみたいな可愛い子に生まれたかった…更新頑張ってください!! (2020年5月30日 19時) (レス) id: 99e12d5a0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年5月21日 2時

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