思春期たんじろ恋をする【キメツ学園】

24 好きの定義 ページ25

炭治郎side


手を擦り合わせながら家へと向かう。

善逸はきっと俺とAに何かあるのだと思っているのだろう。
そんなことはないのになあ、意識はしているけど好きっていうわけでは…。

でもその意識をしてしまうのが好きってことなのか？
好きの定義って何だろう。
何を基準に好きだと言うんだ？
恋人にしたいから好き？ちょっとでも気になるから好き？

言葉に惑わされて訳が分からなくなりながらもパン屋である家に到着する。

カランと店の方から家へ帰る。
明日は俺が早朝の店番だ、売れ筋がいいパンを調べないと。


「あ、お帰りなさいお兄ちゃん」


先に家へ帰り店番をしている禰豆子が俺を出迎える。


「禰豆子、ただいま」


俺はぐるりと店内を回って残ったパン等を確認する。
だいたいのパンは売れている。
嬉しいことだ、このままいろんな人に食べ続けて欲しい。

店内にも客はほぼいなくて禰豆子は店じまいの準備をする。


「お兄ちゃん、そういえばまた新規のお客さん増えたよ」

「そうか、それは良かった」

「とっても綺麗な子が来店してくれてね、数日前からはずっと店に通ってくれてね…」

「………」

「お兄ちゃん？」


俺が禰豆子の方を見ずにぼうっとしているので禰豆子は少し困惑する。


「どうしたの、そんなにぼうっとして…今日は早く寝たら？」

「…ああ、ごめんな心配させて俺は大丈夫だから」


店じまいの手伝いを軽くして俺はすぐに家に入る。
夕飯を食べて風呂に入りその日はゆっくりと眠った。

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