＃108『相棒』 ページ23
「やっちまえ、中也」
太宰の言葉と同時に中也は巨大な重力子弾をぶち込んだ。
ラヴクラフトの躰は内部と外部から攻撃を受け、光を出して消えた。
ラヴクラフトの居た場所にはクレーター状の大きな穴が開いていた。
そのクレーターの中央に居た中也の口角は上がっていた。
そして、狂ったように笑いながら不規則に重力子弾を撃った。
目に光があった中也からはとても考えられない程だ。
だが躰からは血が流れ落ち、中也の躰という殻を荒覇吐が破ろうとしているように見えた。
中也は笑い声を上げながら大きな重力子弾を出したその時･･････太宰がその腕を握った。
「敵は消滅した。もう休め、中也」
太宰の『人間失格』により荒覇吐が鎮まった。
『汚濁』独特の模様が中也の躰から消えた。
中也は余りの怪我に地面に倒れるように座り込んだ。
「この糞･･････太宰･･････終わったら直ぐに･･････止めろっつうの」
「もう少し早く止められたけど、面白くて見てた」
中也が太宰に向かって悪態をつこうとした時、中也の頭に何かが乗った。
「ちゃんと預かっていましたよ」
朔だ。朔は中也の頭に帽子を置いたのだ。
「サン･･････キュー」
中也は咳き込んだ。
「『死ぬな』と言った当の本人が死にかけってどういう事ですか･･････」
朔の呆れの声に中也は苦笑いを零した。
「太宰･･････ちゃんと俺を拠点まで･･････届けろよ･･････」
中也は弱々しく太宰の胸を叩くと倒れた。
朔は中也の側に落ちていた自分のキャスケットを被った。
なんやかんやちゃんと預かってくれていたようだ。
「任せなよ相棒」
太宰は笑った。
Qを使ったヨコハマ壊滅の危機は間逃れた。
「信じられない･･････あのラヴクラフトが･･････」
スタインベックが傷口を抑えながら、歩み寄った。
「君達は一体」
「悪い奴の敵さ」
太宰は微笑んだ。
朔は苦笑いを零した。
そんなキザな台詞恥ずかしがらないで言える太宰は流石、という所だろう。
太宰の本質は『黒』だ。でも、『白』の世界だと消えてしまう事を知りながらも懸命に生きようとしている。
僕はどうだろうか？朔は自身に問いかけた。
変われないと諦め何もしていない。『生きよう』とせず、『死のう』ともしない。
まさに人間失格だろう。
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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (
レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました！ありがとうございます！ (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飛沫 | 作成日時：2020年3月16日 15時
