風が三十八吹き ページ40
一期と別れて、審神者部屋に戻ってくると
......誰かいた
一人は体格のいい濃紅色の髪の男性
もう一人は親しみやすい笑みを浮かべた青年
「えーっと......誰？」
「おんしゃは随分と直球やね」
「はっ。自分は村正作の槍、蜻蛉切と申します」
どうやら、体格のいい彼＿蜻蛉切＿は丁寧な人らしい
親しみやすい彼は、方言を使うみたいだけど
......私、分からないからなぁ
ここに来たってことは、多分手入れだよね
ちらりと盗み見ると、その体には痛々しい傷がいくつも刻まれていた
「じゃあ、部屋に入ってくれる？手入れするから」
「おんしゃ、ええ人なみたいじゃのう！わしは陸奥守吉行じゃ！」
「ありがとうございます、主」
やっと、名前を言ってくれた
手入れに霊力を込めるやり方に大分慣れてきて
最近は集中しなくても、感覚的にできるようになってきた
自分でも、よく成長したと思う
......だから、彼らと会話しながら手入れを進めることもできるのだ
「蜻蛉切、そんなにはやく`主`なんて私のこと呼ばなくていい
......無理してまで、認めようとしなくていいから」
「いいえ、無理などしておりません
主と関わった刀剣を見ればすぐ分かることです
......あなたにこの本丸をお願いしたいと思いました」
`この感覚は久しぶりです`と嬉しそうな蜻蛉切
その隣で陸奥守が険しい顔をする
「たしか、あと三日月と鶴丸やったがか？」
「.....主はその二人を手入れしたら、全員......いや、長谷部殿がいるぞ」
「......しっかしなぁ、その二人がなぁ」
「難しんだね」
彼らの反応を見るに、なかなか手ごわいことを察した
でも、彼らも手入れしないといけないってことは分かる
それにしても......あと三人なんだなぁ
もうすぐ、ここでの生活も終わってしまうのだろうか
「わしらも力を貸すき、そげな顔をせんとうせ」
「自分もお力添えいたします」
「ありがとう」
でも、もういいかな
嬉しい言葉を、もうこんなに貰ってしまったから
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
