風が三十二吹き ページ34
「久しぶりですね、この感覚」
「いつぶりだろうねぇ、兄さん」
「蜂須賀兄ちゃん、無理やり審神者のところに引っ張って行ってごめんって」
「......」
「俺、蜂須賀兄ちゃんが心配だったから......」
「.....!!」
手入れが終わってようやく喋りはじめた彼ら(一人除く
どうやら、神々しい人とにっかりが兄弟で
亀を連れた少年と、さっきからずっとふくれてるポニテの青年が兄弟らしい
どうして、こんなに兄弟関係の人が多いのか
でも、きっと私が知らないだけで
今まで出会ったこの本丸の人たちの中にも、兄弟のいる人はいたはずだ
「手入れをしてくれてありがとう
君が察してくれてる通り、彼は僕の兄でね」
「手入れ感謝します
私は数珠丸恒次.....にっかり共々よろしくお願いします」
「よろしくね、二人とも」
数珠丸さん、か
随分と丁寧な人なんだなあ
「手入れありがとう、主さん!!
俺は浦島虎徹、でこっちはかめ吉!!....ほい、次は兄ちゃん」
にぱあ、と笑ってから、彼が隣の兄をつつく
`主さんも困ってるだろ？`と諭す姿に、どちらが年上か分からなくなる
「あ、気になってたことがるんだけどいい？
どうして浦島はお兄さんを引きずってまでして、ここに来たの？」
「う〜ん、蜂須賀兄ちゃんは別に主さんを嫌ってはないんだけど
苦手意識、みたいなのがあるらしくて....
だけど、俺は兄ちゃんのボロボロで苦しむ姿は見たくなくてさ
だから兄ちゃんには悪いけど、無理やり連れてきちゃったんだよね」
「へえ....お兄さん思いなんだね」
褒めると、頭を掻きながらはにかむ彼
........お兄さん、君の弟さんめっちゃいい子じゃないですか
「折角、弟が頑張ってくれたんだから....自己紹介くらい頑張りなよ、お兄ちゃん」
「俺はお前の兄になった覚えはない!!!」
途端にはっきりと声をあげた、浦島兄
....いや、何も君のことを`お兄ちゃん`と思って言ったんじゃないんだけどさ
ともあれ、やっと彼が喋った
「....こほん
蜂須賀虎徹だ。可愛い俺の弟をよろしく頼むよ」
待って！？
私、あなたの弟貰うつもりはないんだけど？！
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
