検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:99,522 hit

風が二十八吹き ページ30

主らしく信濃を粟田口部屋まで先導できたら良かったんだけど






前を歩くこんのすけを眺めながら、なんとも申し訳ない気持ちになる




何せ、彼らの部屋に行くこと自体が初めてなのだ








それに、






`俺っちも直ぐに信用できねぇ。時間がほしいんだ‘






薬研に言われた言葉が頭を巡り、途端に彼らを訪ねることがためらわれた









時間がほしいって言ってた



彼らを訪ねるのはもう少し、待った方がよかったんじゃないかな









「どーしたの、大将.......あ、ひょっとして薬研に何か言われたの?」




「うん、そう.......ってなんで?」









「薬研はね、弟であり兄だからって人一倍頑張るやつなんだ



兄の足を引っ張らまいと常に気を配ってさ


弟がさみしい思いをしないようにって面倒をかって出るんだ





だからこそ、あいつには遠慮なんてしちゃだめだよ?少し強引なくらいが丁度いいの」









ししし、といたずらっ子のように笑う彼









薬研って、すごい立場にいるんだな


最初、私に切りかかったの時だって‘兄として`弟として`頑張ろうとした結果なのだ






.......私には、彼はまぶしすぎる









「さ、着きました」









目の前に広がるのは大部屋




随分と兄弟が多いらしい









.......よし、今日も頑張ろう









「おはよう、雲だけど」



「帰ってくれ」









帰ってくれはもう聞き飽きた




こんなことで、心なんて折れていられないから









「ついさっき、鍛刀したら信濃が来たんだけど」









すると、しんと静まり返る部屋






これは`入ってもいいよ`の意なのだろうか



この本丸ではポジティブに考えないと、生きていけないらしいからさ









「じゃあ、邪魔するよ」








二・三回ほど軽くノックをしてから、襖を開けると






ビュンッ___刀が飛んできた









「危ないっ、大将!!」



「おやめなさい!鯰尾」








私に刺さる寸前で、信濃の刀身が刀身を受けた








カラン、と音を立てて転がる刀身



投げた本人は困惑の表情をした









「いち兄.......だって」





「だって、じゃありません。審神者殿、ご無礼をお許しください」









いち兄、と呼ばれた彼が頭を下げた

風が二十九吹き→←風が二十七吹き



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
117人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね!これからも頑張ってください!あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか?間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年5月22日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。