風が二十一吹き ページ23
目的の場所について、中に入ると
布団を囲む彼らの姿が目に入った
「あー!!主連れてくるの早かったね!!!!」
「もー、五月蠅いよ、清光」
真っ先にこちらに気づいたのは、加州と大和守
昨日より、だいぶ表情も柔らかくなっていて少し安心する
彼らとも関わりのある人なのだろうか
「よォ、国広!!!!」
「兼さん、ありがと!!......所で雲さん、彼を手入れしてほしいのですが」
不安そうに青い瞳を揺らす少年＿国広＿を一瞥し、布団を見やる
苦しそうに顔を歪め、汗を流す彼こそ、山伏という人なのだろう
これまた、随分とガタイがいい
傍には彼の本体とおぼしき刀身が、添えられていたが
所々にひびが入り、形を保ててるのが不思議なくらいにボロボロだった
「.....おお、審神者殿か。迷惑をかけて済まないな」
「と、取りあえず、手入れをするから」
私に気づいて、彼はにかっと笑う
どうして、こんな状態になるまで私は気づけなかったんだろう
こんのすけを探す前に、審神者として努力する前に.....するべきことはあったのに
ごめん、ごめん
やっぱり、私なんかがこの本丸に来てはいけなかったんだよ
彼らは`ありがとう`って言ってくれるけど、本当は.........!!
「あんたは自分を責めなくていい、俺たちが判断を見誤った結果なんだ」
深く布を被った青年が、消え入りそうな声で言う
そんな彼に向かって、口を開きかけた.........が、今するべきことはそれではない
山伏を手入れすること、だから
.........しっかり集中して、イメージをもって
「傷が直れ！きれいになれ!!」
間もなくして、彼の傷は消えていった
「カカカカ!!感謝するぞ、主殿!!」
「え、僕も？」
「なんだ.....？」
「はっ？！俺は頼んでねえぞ!!!!」
＿＿＿＿否、皆の傷は消えていった
そういえば、伽羅を部屋から出すのに必死で手入れするのを忘れてたのに気づく
後で彼の部屋を訪ねるとしよう
.........彼は暴力による傷、か
難癖をつけて、平気で暴力をする人間ほどろくなものはいないな
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
