帰る場所護る場所 (ページ29)

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アタリ×デ×ピンチページ29

Aの勘は当たった。

クロロたちがアジトを後にして30分程たった頃、フィンクスの耳に足音が聞こえた。

1人2人ではない、もっと大勢。

フィ｢パク、下がってろ。｣

パ｢Aは？｣

『大丈夫よ。』

2人はパクノダを隠すように立ち、入口から入ってくる者を待った。

Aは煙管から煙を出し、できるだけ充満させる。

｢おお、お出迎えか。ありがてぇな。｣
｢別嬪もいるじゃねぇか。生け捕りか？｣
｢顔に傷がつかなきゃいい。殺せ。｣

入ってきたのは11人の男たちだった。

そのうち3人が念を使っている。

フィ｢とりあえず雑魚を片付けるか。｣

『私がやるわ。』

【餓鬼の食事】(リリスの口付け)

Aは、修行の成果を見せ付けるように走り出した。

全速力では無いが、念を使えない人間には目で追うことも出来ない。

Aが触れた順に急激に歳をとり倒れていく。

そして、3人を残して全員が倒れた時、Aのオーラは溢れだしそうな程になっていた。

フィ｢おお、すげぇな。｣

『ちょっと食べすぎたわ。お腹いっぱいよ。』

フィ｢で、あいつらはどうする。1人くらい残しておくか？｣

パ｢黒幕がいるなら残さないといけないわ。｣

『大丈夫、まだ誰も殺してないから。』

フィ｢それなら、とりあえず片付けるか。｣

パ｢了解｣
『了解』

フィンクスが走り出そうとした時、相手の1人が3人に向かって何かを飛ばした。

そして、フィンクスとパクノダが崩れ落ちた。

フィ｢てめぇ何しやがった。｣

｢筋弛緩剤と少量の毒を打ち込んだだけさ。その別嬪が倒れないのは謎だが、まあいい、すぐ楽にしてやるから。｣

『馬鹿言わないで。解毒剤は？』

｢ある訳ないだろ、殺しに来たんだ。さ、大人しくしててくれよ、傷つけたくないんだ。｣

｢心配しなくとも、3人まとめてすぐ楽になるさ。まあ、2人は小一時間苦しむがな。｣

その言葉にAのオーラ量が跳ね上がった。

『もう一度聞くわ、解毒剤を渡して頂戴。』

｢断る。あいにく持ってないんだ。｣

毒使いの男はニヤニヤと下卑た笑いをAに向けた。

『はあ、体に聞くしかないみたいね。』