【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

女の子？ 1 ｰ久々知兵助ｰ ページ7

俺は基本 豆腐以外に興味が無い･･･。
訳でもないが、基本的にはそう･･･なのかな。

そんな俺は穴場の豆腐屋さんと仲良くなった。
すごく滑らかで喉越しの良い豆腐を作ってくれる！！

そこの店主は若いのにしっかりしているし、何より俺と同い年なのだ。

「おっいらっしゃい！」

久「今日もお願いしに来ました！弟子にしてください！！」

「そりゃ無理だって･･･いつもの絹豆腐な」

久「あ、はい･･･」

いつもこんな感じであしらわれてしまう。
俺は本気なんだけどな･･･どうしても弟子をとるつもりは無いらしい･･･
まあ同い年だからな･･･。

久「せめてどこの大豆を使ってるかだけでもっ！！」

「どこって･･･別にどこのも変わらんだろう」

久「いーや！変わる！！」

「そ、そうなのか･･･よし、ほら豆腐一丁」

久「くっ･･･」

「な、何泣いてる！？」

久「どういう生き方をしたら･･･っこんな美味しい豆腐がっ」

「･･･豆腐屋に生まれたからじゃないのか？そうだ、水変えなきゃな」

奥の方に入っていく･･･はぁ、俺もこんな美味い豆腐作れたらいいんだけどな。
どうしてもっ･･･まだ足りない何かがあるんだろうかっ･･･。

ﾊﾞｼｬｯ

「うわっ！？」

久「！どうしました！？」

「いてて･･･転んで水ぶちまけただけだ･･･あーびしょびしょだよ」

久「あ、ならすぐ着替えた方が」

「そうだな･･･いや、見てないであっちいってくれよ」

久「？なんで？」

「お前･･･」

久「別に男同士だし･･･恥ずかしがることなんかないんじゃないですか？」

「っ私は女だ！！」

久「えっ」

女？この人が？
･･･あーよく見れば女の子っぽい･･･のか？
着物が女性物じゃなかったから分からなかったな･･･。

久「す、すみません」

「･･･まあよく勘違いされるさ、ほら！とっととかえった！！」

久「あっちょっ」

ﾋﾟｼｬｯ

店の外に出されて入れないように戸を閉められる
･･･まさか女の子だったなんてな･･･確かに手とかは俺よりも小さいなとは思ってたけど。

まあ豆腐作るのに男か女かなんて関係ないからな。

久「･･･あ、お代渡してない」

そっと戸を開けて覗き込めば、奥から湯気が出てる。
この匂い･･･大豆を煮てるところかな･･･いい匂いだ。

というか着替えたのかな･･･。
風邪ひかれたら豆腐食べれなくなっちゃうな･･･。

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