【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

姿違えど 2 ｰ土井半助ｰ リクエスト作品 ページ45

土「はぁ･･･」

「そんなに恥ずかしかったんですか？」

土「どうもね･･･」

「大丈夫ですよ」

お茶をもらい二人で飲みながら話をする。
Aは気にしてなくても私は気にするんだよなぁ･･･。

「それに、私はどちらの土井先生も好きですよ」

土「よく恥ずかしがらずに言えるな･･･」

「だって好きですから･･･そうだ！慣れるために今女装してみてください」

土「うぇ！？ま、まあ･･･いいけど」

直ぐに着替えて女装をする。
め、面と向かってこうもまじまじ見られると･･･恥ずかしいな･･･。
Aは私の手を取り、笑顔で言い放つ。

「可愛い！」

土「あのなぁ･･･仮にも男なんだぞ！？」

「えー･･･でも女性らしいし、何よりもちょっと恥じらいのある女の子って感じがして好きですよ」

私の事･･･馬鹿にしてるのか･･･？
本人にその意思はなくともそう聞こえてくる･･･。

全く･･･女装してるからと言って、こうも舐められてもらっては困る。

ﾄﾞｻｯ

床にAを押し倒し、覆い被さる。
どんなに女装しても、私は男なんだ。
力も強いし、Aよりも大きい。

土「女装してても、簡単に押し倒すことくらいできる･･･あんまり馬鹿にするなよ？」

「うっ･･･はい」

土「うん、よく出来ました･･･頭打ってないか？」

「だ、大丈夫です･･･なんか、女装してても土井先生って感じがして安心しました」

土「どういうことだ？」

立ち上がろうとする私をひっぱり、顔を近付ける。
鼻と鼻がかするくらいの距離。

土「A？」

「ちゃんと優しくてかっこいいです」

土「本当に･･･？女装しててもそう思うか？」

「はい、女装してても土井先生は土井先生ですよ」

Aに口付けをされる
私の恋人は･･･私にはとびきり甘い態度しかとらない。

学園で口付けをするの初めてだな･･･。
唇が離れると少し口寂しく思う。

床に押し倒したまま、今度は私から口付けをする。

私が優しいのは君が私に優しくしてくれるからだ。
Aを思いやれのも、君が思いやってくれるから。

角度を変えて何度も口付けをすると、苦しそうな息が漏れて聞こえる。

土「わ、悪い･･･苦しかったか？」

「･･･やっぱり優しいですね」

土「Aにだけだよ･･･」

最後に口付けてからお互いに起き上がり、恥ずかしそうに笑い合う。
どちらの私も好きでいてくれるのはやっぱり君だけだ･･･。

土「ありがとう、A」

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