男装癖のある女子がマイキーに憧れて東京卍會に入りました。【東京リベンジャーズ】three (ページ33)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:54,856 hit

129 ページ33

冬休みを明けても三ツ谷と会話することは無かった。
そのまま二年にあがり、先生は分かっていたかのように私たちを別クラスにした。

そして同じになったのはぺーやん。

良「よろしくなー」

「おう、頼むなー」

三ツ谷とパーちんが同じクラスらしい。(ぺーやん曰く)
まっこのまま関係が崩れたら崩れたらだよ。

それまでの関係だったってこと。

放課後、花の様子を見に校舎裏へと行く。
心做しか花も元気がないように思える。

「私の気持ち･･･伝わっちゃってるのかな」

その言葉に答えるように雫が葉っぱから流れ落ちた。
胸に空いた穴がふさがらない。

ずっと風が通っている。

寂しい。

三「･･･」

安「三ツ谷部長」

三「ん？何」

安「下の布と一緒に縫ってますよ」

三「えっ？あ･･･あーボーッとしたわ･･･悪い悪い」

安「最近」

三「ん？」

安「ずっとそんな調子ですよね、休みが明けてからでしょうか。」

三「鋭いなー･･･安田さんは」

安「何かあったんですか？」

三「･･･何も」

嘘をついてまた縫い直していく
けどまたぼーっとして同じことを繰り返した。

ダメだ、集中力がかけてる。

ふと机の端に置いてある布切れに目が行く
あいつが前に作ってた奴か･･･刺繍。
あーあ、解れてるし･･･不器用なやつ。

安「前同じクラスだったあの人と･･･何かあったんですか？」

三「なんでそう思う？」

安「勘です」

三「勘かー･･･」

安「私･･･ヤンキーは嫌いですけど、あの人は好きです。真っ直ぐで前だけをずっとみてるから」

三「･･･俺もだよ」

このまま関係が終わって、二度と会えなくなるんじゃないかって思う。
だから毎回移動教室の時に確認した

あいつの荷物があるのを。

見る度、ある度にホッとしてる
そんなに好きなのに･･･好きなのに。

素直になれない。

違う男のところに行って欲しくないから
でも行くなら行って･･･俺の事を突き放して欲しかった。

だから･･･冷たい態度もとった。

酷い対応ばかりした。
だから嫌われて当然。

三「･･･ちょっと風浴びてくるわ」

安「はい」

三「･･･はぁ」

裏庭と校庭の隅が見える外階段に出る。
ここに来れば必死に走っていたAの記憶が蘇る。

真っ直ぐに前だけを見すえていた。

三「あ･･･A」

花の世話を一生懸命にやっているAだ
少し寂しそうなまま花を眺めていた。