好きな物 ページ35
俺は焦った
なんで俺の好きな物を知ってるのか
偶然なのだろうか、分からなかった
『おはぎお持ちしましたよ』
『あ、甘いもの苦手でした？』
そんな言葉が過った
今は亡きアイツの声
そんな声にイライラする
「あ･･･甘いもの嫌いでした？じゃあ下げましょうか」
実「まだなんも言ってねぇだろうがァ！」
不意に蓋をしようとする手を掴む
俺の手一つで手首を一周できるほどに細くか弱く感じた
実「ってかなんでおはぎなんだよ」
「えっいや･･･たまたま餡子あったので、え？嫌いでした？」
実「なんで煽るように聞いてくるんだよ、むしろ好きだわァ！」
「じゃあ沢山食べてください」
煽るような口調に少し腹が立ったが、何も言わずにおはぎに手をつける
甘くて美味い･･･まて、そう言えばたまたま餡子あったからって言ったよな
実「これ･･･お前作ったのかよ」
「？はい、家事全般は得意なので」
実「フーン･･･」
一つ･･･二つと口に運んでいく
甘くてやっぱり、うめぇな･･･そう思いながら茶にも手をつける
実「まあ、うめぇんじゃねぇのォ」
「ふっ」
実「あ？」
隣を見れば顔を伏せて震えていた
なんだこいつ･･･そう思ってどうしたと軽く声をかける
顔を上げれば満面の笑みで笑っていた
実「何笑ってんだてめぇ･･･」
「だって･･･っ普通に褒められると思ってなかったからっ」
実「なっ･･･俺の事なんだと思ってやがる！！」
「はははっ･･･あー文句言われると思ってた」
涙目をぐいっと抑えて笑っていた
今までずっと無表情だったから違和感すら覚える
柱合会議の時も殴られてる時も無表情だった
実「なんだお前ムカつくなァ」
「何度でも言ってください」
そう言うとコイツもおはぎに手をつけた
満足気に微笑みながら口に運んでいた
俺は何も考えないようにと茶を啜る
先代とは違うような気がした
前の奴は基本的にニコニコ笑っていた
怒ることも無く、ただ笑ってなだめ役としてが多かった
こいつは無表情でなに考えてるかもわからない
けど前の奴よりかは人間味が強い
感情の左右も表情の崩し方も
実「いくつか質問してもいいかァ」
「どうぞ」
実「鬼舞辻無惨とはどこであった」
ピタッと動きが止まる
まさか聞かれるなんて思ってみなかったのか？
煉獄の野郎だって聞くはずだ･･･あいつまさか聞いてないのか？
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猫田尋 - しのぶちゃんより小さいのに健気に頑張る夢主ちゃんに感情移入しちゃいます、頑張って更新してください！ (2020年2月19日 16時) (
レス) id: 0dcbb5e6a0 (このIDを非表示/違反報告)
* - スッゴク面白かったです!世界観とか夢主の性格とかもう何か全部好きです!更新無理せず頑張ってください! (2019年11月21日 0時) (レス) id: 214b799aaf (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - あ、応援してます！！ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - 無惨さん、かっこいい…てか、好きなのか？好きなのか？？恋愛要素あるよね？あるよね？ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます！これからも頑張らせて頂きます！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: eb114911f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルンバ故障中 | 作成日時：2019年10月4日 22時
