後ろ姿 ページ20
俺はいつも通りに起きた
朝の鍛錬の為、早く起きるのが習慣。
朝日が昇ってすぐくらいか･･･
あたりはまだ薄暗い、中庭で素振りを繰り返した。
杏「ん？」
風で流れてきた匂い
俺は家に入り匂いのした方へ歩く
朝早くから･･･台所で聞き慣れた音がした
まさか父上か？
そう思い隠れながら中を除く
杏「はっ･･･」
母上･･･っいや違う、あの人はもう亡くなったんだ。
でも･･･後ろ姿がよく似ている、生まれ変わってその姿になったかのようだった
「あれ･･･杏寿郎さん何してるんですか？」
杏「･･･いや！父上が料理をしているのかと！でも客人の君が料理なんてしなくていいのに」
「いえ･･･泊まらせて頂いてるのでこれくらいは」
杏「うむ、いい心掛けだな！なにか手伝うことはあるか？」
「大丈夫です、一通りは終わってますから･･･」
そう一言放ち、食器を洗い始める
無機質な音が響く中俺は背中だけを見ていた
髪を高く結っているのも
食器を洗っている時も
どんな仕草も･･･
母上と重ねてしまっている気がした
「あの･･･」
杏「ん？」
「今日、一度しのぶさんの屋敷に行ってもいいですか？」
杏「いいが、なんでまた？」
「隊服をまた前のに戻してもらおうと思いまして」
杏「確かにあれは動いたら危なそうだからな！」
「でも返すとなるとあれは着ていけないですね･･･」
杏「なら母上のを着ていくといい！」
「へっ･･･」
拍子抜けのような顔をして手を拭くのを止める
確かあまり着ていない着物があったはず･･･どこにしまったんだ？
震える唇を動かしAは言葉を吐く
「着たいのは･･･山々ですけど、御母上の着物を着るのは･･･気が引けます、御父上も許すかどうか･･･」
杏「まあ･･･大丈夫だろう！とってくる！」
「なんて雑な･･･」
今は亡き母上の部屋に入る
亡くなってから全く変わっていない
しまってあるであろう場所を探し回る
あった･･･黒地に紅い華が散っている着物
杏「あったぞ！」
「はやっ」
杏「着付けは1人で･･･出来るよな！」
「えっあ、まあ･･･」
焦りながらも襦袢一枚になり着替えていく
俺がいるまで着替えるあたり･･･不注意極まりないな
そう思いながら静かに部屋を出る
静かに待っていると衣擦れ音が聞こえてくる
暫くすると衣擦れ音はなくなった
杏「終わったか？」
「はい」
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猫田尋 - しのぶちゃんより小さいのに健気に頑張る夢主ちゃんに感情移入しちゃいます、頑張って更新してください！ (2020年2月19日 16時) (
レス) id: 0dcbb5e6a0 (このIDを非表示/違反報告)
* - スッゴク面白かったです!世界観とか夢主の性格とかもう何か全部好きです!更新無理せず頑張ってください! (2019年11月21日 0時) (レス) id: 214b799aaf (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - あ、応援してます！！ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - 無惨さん、かっこいい…てか、好きなのか？好きなのか？？恋愛要素あるよね？あるよね？ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます！これからも頑張らせて頂きます！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: eb114911f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルンバ故障中 | 作成日時：2019年10月4日 22時
