高嶺の花 ページ9
「万里くん、本当にありがとね」
A組の教室前で
Aは送ってくれた万里にお礼を言った
「ん、じゃ帰りも迎えにいくから」
「分かった、待ってるね」
「じゃな」「うんっ」
軽く会話を交わして、Aが教室に入ったのを見届けた後
万里も自分の教室に向かった
そして教室に入るなり人に囲まれた
「ば、万里何で海咲さんと一緒に来てんの!?」
「接点なかったじゃん!」
「摂津まじお前…!」
自分の周りに何故か付きまとってくる
クラスの派手な女の子と、クラスメイトの男子が集まってきた
鬱陶しい事この上ない
「別に…昨日知り合ったんだよ」
「へぇ…あの万里がねぇ」
「海咲さんとは全くジャンルが違う万里がねぇ」
「うっせぇなぁ…」
「海咲さんと仲良くなんて…羨ましいぞ万里!!」
「海咲さんはこの学校の高嶺の花なんだからな!」
「…は?ナニソレ」
初耳なんだけど、と万里は詰め寄る
「立てば芍薬座れば牡丹!歩く姿は百合の花!」
「ナニソレ何処のUMR?」
「頭は良いし、笑顔が可愛い!!」
「本を読んでいる姿は正に聖母の様!」
「「それが我が学校の高嶺の花!
海咲!Aさん!!」」
「…ふーん」
万里は素直に、面白くない、と思った
Aが高嶺の花と言われる位綺麗なのは自分だけが知っていると思っていた
まぁ、みんなが放っておく程じゃない美人なのも知っていたのだが
「…でもお前ら、Aと話さねぇのな」
「バカ言うな摂津ぅ!」
「高嶺の花だぞ!」「話しかけれねぇよ!」
「まぁ、目が見えないって言うのがあって、なんて話しかけたらいいのか、とか…
何にせよ一線引いちゃうよね…」
「ね」
そうクラスメイトがザワザワと話しているのを聞き
すこし、優越感を感じている自分がいた
わかっている、Aにとってはは寂しいことこの上ない
自分という友達ができたことを凄く喜んでいたAにとって
自分がもつモノが障害となって出来ないなんて悲しすぎる
でも、万里だけはしっている
Aはホントは無邪気で可愛くて
寂しがり屋で友達を誰よりも欲しがっていると言う事を
万里は心の底から優越感で満たしていた
それと同時に
最低だな、と自分を卑下する
とりあえず、早く昼になれ
昼飯をAと食べて話そう
早く、会いたい
万里はそう思い、席についた
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紅葉-くれは- - めっちゃいい話しだった…(;д;) (2018年3月25日 0時) (レス) id: 42f83da7c4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - 一言いいですか...。最高でした!!! (2018年3月24日 23時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続き気になります!更新頑張ってください♪ (2017年5月25日 18時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お嬢(眼鏡野郎) | 作成日時:2017年5月23日 19時