#センラママン ページ16
それからも、彼女からの着信は減る事なく……着信拒否でもしてやろうかと思ったけれど、お店に押しかけて来られたらイヤだったから出来なくて。
仕事終わりに待ち伏せされたりもしたけれど……睨みつけられるだけで、何かアクションを起こされるような事は無かった。
相変わらず、センラさんの所にも彼女からの連絡が続いているらしく、流石の彼もちょっと疲れた顔をしていたけれど。
ウチのお店の社員さんから、お店を運営している会社の上層部に報告されたらしく、2週間も過ぎた頃には、彼女は姿を現さなくなって、連絡を寄越してくることも無くなった。
「落ち着くと良いね……」
セ「ほんっとお前は……」
『だからごめんってば〜』
セ「何されたか分かってんの?」
『分かってるで〜センラママン』
セ「俺はお前のお袋じゃないねん!!」
私のサークルの先輩カップルを手懐け済みだったさかたんは、いつの間にか先輩(♂)の部屋を1ヶ月間も貸してもらえる事になっていて。
その間、先輩(♂)は彼女の部屋に転がり込んでイチャイチャする事に決めたらしい。
「ご実家には連絡したの?」
『うん、したした』
セ「……どうすんの」
「1ヶ月で新しい部屋、決まる?」
『まぁ……大丈夫だよソレは』
セ「…………」
「じゃあ、ご両親も手を貸してくれるなら……これで暫くは安心できるのかな……」
『……うん、そうだね』
新しい部屋も借りられそうだし、なによりご両親が手を貸してくれるのなら安心だと……この時の私は思っていて。
腕を組んでさかたんを見ていたセンラさんが、難しい顔をしていた事や。
少し俯き気味なさかたんと、全然視線が合わなかった事なんて。
全然気付きもしていなくて。
「そっか……良かった……」
『……うん』
セ「…………」
「すっごい罵倒されたけど……そん時の会話、録音してたデータ使わずに済んで良かった……」
『…………え』
セ「……お前、マジ?」
「いや!たまたま思い付いて!ホラ、この部屋の持ち主、弁護士目指してるからさ、麻雀教わりながら、何かあった時の為の方法とか教わってて」
『……麻雀』
「何はともあれ証拠!証拠をそろえるのが最重要!って何度も言うから咄嗟に、ね?」
セ「……咄嗟に、ね……」
『……麻雀』
「あ、そこそこ強くなったよ?」
セ「いや、ソコじゃなくね?」
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