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Ep.47 ページ49

やがて彼の周りには鉄くずしか残らなかった。

焼け焦げた床。
爪痕のような大きな傷跡。
人型の鉄の山。

敵はひとつ残らず破壊する。


まるで…
竜のようだ。


生きているのはロズベルトただ1人。

ロズ「強すぎる…」

ゾ「おいおい。あとはお前だけやぞ?
どう殺してやろうか。」

ロズ「ま、待て!!僕を殺したら解毒剤の作り方は手に入らないぞ!?」

ゾ「…ちっ。なら、生け捕りやな。
その後必ず殺したるからな。」


彼はナイフを下ろした。
冷ややかな…人をそのまま殺せそうな瞳。
ゾム様、と一言呼びかければその瞳は直ぐに優しさに包まれた。

ゾ「大丈夫か?」

「大丈夫、です。
解毒剤はひとつだけ持ってますから。」

ゾ「ほんまか!ようやった!
さすが俺の右腕やな。はよ、ここから出ようや。
ここで解毒剤使うても意味ないやろ…。」

行こか。と手を伸ばしたゾム様。
その背後から…

「ゾム様!後ろ!!」

ゾ「っ…!?くっ…そ。」

ロズベルトが何かの薬液をゾム様に投げつけた。


ロズ「ふははは!!油断したな!!
それは【AB-YZ】の原液だ。この部屋の10倍の濃度はある。これでお前も動けまい。僕の勝ちっ…だ…!?」


ロズベルトが突然前に倒れた。
その後ろには赤いマフラーをはためかせるよく知る人物がいた。

ト「ぐうくず。死んでどうぞ。
って言いたいところなんやけどなぁ…。」

「トントンさん!」

ト「おーA。無事でよかったわ。
ゾム、大丈夫か。」

ゾ「っ…なん、とかな。息止めといて正解やったわ…。
ちょっと、吸っちまったけど…」

ふらりと揺れた体をトントンさんが支えた。
ゾム様は大丈夫や、と一言告げるとこちらへと歩み寄る。

ゾ「なんちゅう顔しとんのや。」

「だって…ゾム様…」

ゾ「大丈夫や言うとるやろ。ほら、帰ろうや。」

今度は伸ばされた手を掴むことが出来た。
そのまま立ち上がり、肩を貸してもらう。

(ゾム様の方がフラフラじゃないですか…)

そのまま城の外へと出れば見慣れた仲間達が手を振って迎えてくれた。

コ「A!!お前無茶しやがって!!」

ロ「お前から連絡来た時まじで焦ったんやぞ!!」

「ごめん、なさい…」

エ「まあまあ…。Aさんもゾムさんもまずは休養が必要かと…。話はそれからにしましょう。」

エミさんが何とか場を収めてくれた。
コネさん達はまだ何か言いたげではあったが、こちらに笑顔を向け「おかえり」と言ってくれた。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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