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Ep.45 ページ47

ゾ「A!そこおるんか!!」

「え……?」

石の壁の隙間からゾム様の声が聞こえる。
本物…?本物なのか…。

「ゾム…様?」

ゾ「…!良かった…生きとった…。
お前!ふざけんなよ!!こないな危ないこと1人で……いや、今はそれどころやなかったな…。」

崩れ掛けの石の壁の奥に翡翠の瞳が見えた。
本物だ…。そう思っただけで安心からから涙が零れた。

ゾ「この部屋の鍵はあるんか?」

「ここにはありません…。ロズベルトが持ってるかと」

ゾ「そっか…。よし、A。離れろ。」

「え。」

カチャッという音が響く。
慌てて部屋の端まで行くと大きな爆発と共に石の壁が崩れた。

ゾ「あ、くそ…完全に壊れんかったか…
もっかい行くぞ」

「待ってください!?
これだけの隙間があれば私は出られますから。
それより、ロズベルトを探してください。
薬を持ってどこかに隠れているはずです。」

ゾ「けど…」

「必ず後で合流しますから。」

不服そうな顔の彼。
だが、今優先すべきはあの薬の抹消。
万が一逃げられてしまえば厄介なことになる。

ゾ「っ……帰ったら、俺の言うこと聞けよ。」

「…約束します。」

ゾ「ん。じゃ、行ってくるわ。」

颯爽と廊下を駆けていく彼。
次の瞬間、ドサッと膝をついてしまう。

「っはぁ…はぁっ…くっそ…」

めまいが激しい。
指先の感覚が無いに等しい。
先程の爆風であの薬がこの部屋に大量に流れ込んでしまったようだ。

「っく…」

動かなくなりそうな足に喝を入れる。
右足から紅い雫が垂れ流れた。
この部屋にあった鋭利な石。

痛みのおかげで意識を保つことが出来ている。
ゾム様やペ神さんが知ったら怒りそうな手段だ。

「まだ…やらなくちゃいけないことが、私にもある…」


解毒薬を見つけなければ。
どこに隠すか。
大事なものほど、自分のいちばん身近に隠すはずだ。

「自室…?」

城の自室ならきっと上のはずだ。
崩れた石の壁をさらに崩し、廊下に出る。
遠くで爆音が響き渡っていた。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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