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Ep.15 ページ17

(良い人…か…)

ふと頭をよぎった人はいた。
でも彼をそう言う対象で見てるのかと言われれば違うと思う。

私は上を見上げた。
ダクト内にいるゾム様と目が合ったような気がした。

「?」

ト「まあまあ…御二方。長旅でお疲れでしょう。
お部屋を御用意させて頂きました。ご案内させていただきます。どうぞ、こちらへ。」

トントンさんのおかげで何とか五月蝿い2人と別れることが出来た。
ホッ…と一つため息をつく。

グ「A。その……後で、話があるというか…。
謝らなくてはいけないことが…」

「なんですか?」

グ「いや…その……。
とりあえず、後で俺の部屋に来てくれ。
俺は今からお前の両親と話をしなければならない。」

「…?分かりました。」

グルさんはものすごく気まずそうな顔をして去っていく。
私に謝ることなんて…。
珍しいなぁ…なんて思っていると、ダクトの中からゾム様が降りてきた。

「お疲れ様です。ゾム様」

ゾ「俺必要やったかな」

「うーん…ま、まあ…。何が起こるかわかりませんから」

ただ見てただけのゾム様は大層暇だったようで、少し不貞腐れた顔をした。
そんなゾム様に手を伸ばすと、自ら頭を擦り寄せてきた。

「猫みたいですね」

ゾ「でかい猫やんなぁ。
もうちょっと撫でてくれへん?しばらく…撫でてもらえんから」

「え?」

ゾム様は1度私から離れると、珍しく神妙な面持ちで話し始めた。

ゾ「俺な、明日からまた任務でおらんのや」

「そ………そうですか…。」

ゾ「で、でもな?短期任務やから!すぐ帰ってくるわ!!」

私を連れていかない任務ということは危険度の高い任務という事。
それをわかっているからこそ、不安を覚えた。
そんな私を安心させようとするゾム様。

「ちなみに、どのような任務なのですか?」

ゾ「潜入捜査や。今回はスパイやない。
情報収集だけなんやけど…。
ちょっとヤバい国でな。人身売買やらちょっとヤバい薬やら当たり前のように出回ってん。そんな国が最近あかん武器を輸入したって情報が入ってきたんや。それの調査に行くんや。」

危険度だけで言えばAクラス…いや、Sクラスと言っても過言でない任務だ。
本当は私に内容を伝える事すら禁忌とも言えるような任務。

「……無事に帰ってきてくださいね?」

ゾ「当たり前やろ?すぐ帰ってくる。待っとってな?」

いつもはこの言葉に救われるのに…
今回だけは何故か嫌な予感がした。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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