【１２】上官は持ち合わせてない ページ44
.
〜ベクside〜
来ない、よな。
黒いバスローブから着替えた白いバスローブの紐を縛り直して小さく溜息をつく。
熱はもう微熱程度まで下がった。
ソラがあの後色々やってくれたのもあったし。
Aよりソラといたら時間の方が長いって考えると後悔が胸を駆り立てて。
未だに送ったメッセージは未読のまま。
ベク「……そう、だよな」
１人の女の子にあんな酷いこと言って。
大っ嫌いなわけない。
むしろ大好きなのに。
なんであんなことしか言えないんだろう。
ソラがいようとなんだろうと、俺はあの時会社を休んでた“ビョン上官”じゃなくて“ベッキョンさん”じゃないか。
それなのに＿＿＿＿
ベク「……クソ会いてぇよA」
あの時Aが俺に見せた何とも言えない表情が蘇って。
また俺を苦しくさせるんだ。
謝りたくて、伝えたいことも沢山あって送った不器用すぎるメッセージ。
薬ないのは事実だし、ちゃんとした理由になってるじゃん。
だからお願い。
A、会いに来てよ＿＿＿＿。
.
もうほぼ諦めた夜の10時。
明日念のため休んだら、明後日から行こう。
そう思って、クラゲに餌をやってから先程替えたばかりのシーツがひいてあるベットに向かった時だった。
ピンポーン
割と良い値段のするマンションなのに少し間抜けなインターフォンの音。
またソラか？
さっきも沢山着信あったし。
めんどくせーと思いつつ後ろ髪を掻いてモニターへ向かう。
ベク「はぁい……」
って、
ベク「A！？」
寝ぼけ眼だった目がきっと真ん丸になってる。
いや、は！？
A「あ、あの薬持ってきました。それから、」
ベク「こんな夜中に１人で危ないだろ！今そっち行くからそこにいろ！」
A「え？え！？」
ベク「俺そっちに行くか……ｺﾞﾎｯ」
A「いや、ビョン上官家に居てくだ、」
応答ボタンを切ってすぐドアの外に出る。
エレベーターを待つ時間すら焦れったいと感じたのは初めてだ。
外、寒かったでしょ？
冷えてない？
夜、危なかったでしょ？
何もされてない？
Aをこの後このまんま帰すなんてそんな考えあいにく俺は持ち合わせてないから。
来たなら、俺がこれから伝えようとする想い、聴いて＿＿＿＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5883人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゅら☆(プロフ) - 本当に大好きなお話なので続きが読みたいです…よろしくお願いします(>_<) (2019年8月30日 3時) (
レス) id: ee5d4b56cf (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - この小説大好きなので更新お願いします (2019年4月15日 6時) (レス) id: 312093fa53 (このIDを非表示/違反報告)
ジミン党(プロフ) - もおおおおおおう！大好きだから更新して欲しいいいいいい今までで一番小説でこんな笑いましたw更新お願いしたい。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: 8cd546efbf (このIDを非表示/違反報告)
黒糖とオレンジ(プロフ) - 続きめっちゃ気になってます！ 更新お願いします！！！！！！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年11月7日 20時) (レス) id: f2411662d9 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - このお話、ホントにホントに大好きです!!!! 図々しいかも知れませんが、続きがとても読みたいです!!!! 更新お願いしますm(_ _)m (2018年10月9日 1時) (レス) id: cb99672434 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
