同情と恋心 (ページ26)

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頼れる人ページ26

玉森side

あれから、ずーっと頭の中はAちゃんでいっぱいだった。

打ち合わせが終わってから直接撮影場所に行ったので、いつもより早く着いた。

楽屋のソファに座って一人でずっとAちゃんのことを考えていると、みつがやってきた。

みつは俺の言葉と表情をすぐに汲み取って話の全貌を理解してくれた。

やっぱりこういう時に素直に話せるのはみつだなぁって思った。

絶対に見下さないし、それでもって重い雰囲気にもならないから、自分でもびっくりするくらいさらっと話しちゃう。

これが宮田とか二階堂だと絶対に上手くいかない。

そんなことを考えてると、ほかのメンバーも続々と集まってきた。

ほかのメンバーが来ると、さっきの話はなかったかのようにみつはメンバーと違う話で盛り上がってくれていた。

【ありがとう、みつ！

やっぱり、こんなこと話せるのはみつだけだよ。】

メンバーがキャッキャ騒いでいる楽屋で、いつもは一緒になってというか、率先して騒いでいるのに、今日はそんな気分ではなかった。

そんな自分に宮田は多分気づいていた。

(宮田)「おぅ、たまぁ！

どうした？

今日はいつになく大人しいけど？(笑)

体調悪いとか？

大丈夫か？たま！」

「うるせぇな、お前は。

普段通りだろーが！どこが体調悪そうに見えるんだよ？

お前がうるさいだけだろ！」

そう言って、いつものように宮田にちょっかい出してみた。

(宮田)「うわぁぁあ！

あははははっ！

たまぁ！やめろやめろやめろ～！！あははははっ！」

(北山)「おい、宮っち～

玉は朝から衣装の打ち合わせしてきてんだから、玉の休憩邪魔すんなよ～！

それと、昨日出来てなかったダンスとか覚えてきたか？」

落ち込んでいる時に無理に明るくできない俺を知ってか、みつがフォローを入れてくれた。

その後、収録中もぼーっとしてしまったり、Aちゃんのことを考えすぎて下を向いているのを注意されたりと、メンバーにも何かあったんじゃないかとバレるくらいに俺は凹んでいた。

収録終わり、俺はみつに晩御飯に誘われた。

今日の収録のことを怒られる覚悟だったけど、それ以上に俺は助け舟を出したかった。

みつなら助けてくれると思った。

こういう時に頼りになる最年長。

女慣れしていない俺はみつに頼るしかなかった。