平凡少女、全然平凡な人生を送れないの巻。【呪術廻戦】

第10話「空は綺麗」 ページ10

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そういえば虎杖くんの訃報を聞いてから、めっきり五条先生を見かけなくなった。


寂しいかと聞かれたら「寂しい」と答える。
だって、出張先で買ったお土産を毎週のようにコッソリ色々貰ってたのに急に途絶えたから。

寂しい。
アレがあったから五条先生とのタイマン(特訓)頑張れたのに。





そんな事を考えながら、パンダが野薔薇ちゃんを無慈悲に追いかける姿を見つめていた。

しかしやっぱり足速いなパンダ。野薔薇ちゃんも平均的な女子の記録より早いと思うがパンダには劣る。あんな獰猛な獣、野生で出てきたらきっと私は無残に殺されて死ぬ。


そしたらパンダがこっちを見た。そしてぶんぶん手を振る。



「Aー、一年に受け身の見本見せてやって」

「ええ、投げられるやつ？」

「そうそう」



なんでそんな嬉しそうに言うのパンダ。
あんなのただのアクロバットだよ、下手したら頭から着地しちゃうよ。

「ほれほれコッチ来い」と無意味に煽られながら、棘くんに「高菜！」と声援を貰いながら渋々そちらへ行く。



「Aさん、大丈夫？なんか心配なんですけど」

「平気平気。コイツ受け身のスペシャリストだから」

「こんな不本意なスペシャリストってある？」



しっかり身体を解しながら答えれば、「だって事実だろーに」と腕をブンブン回すパンダ。やる気いっぱいじゃん。

いや、殺る気か？



「よーし、行くぞ！」

「は〜い」



腕を掴まれ、そのまま持ち上げられる。
肉球プニプニだなあ、そんなことを考えてたら回転を始めたパンダ。遠心力により足が投げ出され身体が宙に舞う。



「あ〜〜らよっと」



そして無造作に。砲丸投げの如く私を宙に放り投げたパンダ。掛け声からしてめちゃくちゃ適当。


投げ出された身体を丸め、体勢を整える。そして勢いを利用しながら自身も回転して、近くまで迫った地面を確認したのち足から着地。

基本的な動作である。体操選手の演技の終了時みたいに手を上げてポーズ。



そして巻き起こる疎らな拍手。



「拍手少なっ」

「いやだってよく見るし」

「猿みてぇな動きするよな」

「ツナマヨ」

「誰一人褒めてくれない」



逆に貶されたし。



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