第6話「へなへなのもへじ」 ページ6
.
あの後ずっと地面に字を書いてた(しかしすぐ飽きてへのへのもへじを量産していた)ら真希ちゃんから「いい加減動けや！！」と思い切り棒でブン殴られた。私の繊細な脳細胞たちが半分以上消し飛んだ気がする。
大体近接どころか武器のみのタイマンで戦ったら真希ちゃんに勝てるはずがない。
「すみません無理みが勝ちます」と首を振ったら「私に勝つまで血反吐吐かせてやるよ」とヤ○ザ顔負けのメンチ切られた。多分私はここで死ぬ。
そして、後日。
私じゃなくて、新しく入学した一年生の子が一人、死んだらしい。
「おいおい、何でお前が一番に泣くんだよ」
「だ、って。ごめん、ごめん……わたし、あんまり周りで、しんだ人がいないから……」
まだ一度だって見てないし会ってもないのに、名前さえ知らない誰かが死んだのか。
私の後輩の一人になるはずだったその子は、もうこの世にいない。なんて無慈悲な。こんなにも簡単に人の命が失われるなんて、
亡くなった彼の事など何も知らなくて、でもどうしてだかぼろぼろ涙が溢れて袖で目元をゴシゴシ拭ってたら頭と背中に手を置かれてぽんぽん撫でられた。
「お前は一々考え過ぎるし、優し過ぎるんだよな」
「しゃけ」
恥ずかしながら、慰められてもっと泣きそうになった。
そして少しして、とあることに気付いた。
「……そういえば、まきちゃんは？」
「一年達んとこ行った」
「まきちゃん、このこと知ってる？」
「……あっ」
呪具片手にずんずん歩いて行った彼女を思い出して問いかければ間抜けな声が返ってきた。
えっ、とパンダの方を見れば、完全に「やべえ」みたいな顔をしているではないか。
「こんぶ？」
「ああ、アイツ多分鈍感だから気付かねえ！」
「すごい不謹慎なことがおきそう」
「とっても他人事ォ！」
パンダは「こうしちゃいられねえ！」と飛び出して行ったので私たちも続く。
会ってもない一年生の一人が亡くなった上に嫌われるのはぜっっったい嫌！！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Alice - ( ,,`･ω･´)❕続きが早く見たいです!.更新頑張ってください (2023年1月29日 13時) (
レス) @page40 id: 37c62558af (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2021年1月4日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
エドワールド(プロフ) - 更新頑張って！！ (2020年12月6日 20時) (レス) id: 47a0ed334c (このIDを非表示/違反報告)
黒酢 - 続きを...お願いします...!!更新待ってます！！ (2020年11月17日 23時) (レス) id: 3b4652fe38 (このIDを非表示/違反報告)
おでんパン - とっても面白いですね！！更新楽しみにしてます！！！！ (2020年11月12日 23時) (レス) id: 9599c9f027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨風 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月2日 17時
