平凡少女、全然平凡な人生を送れないの巻。【呪術廻戦】

第3話「先生ってやつは」 ページ3

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五条先生は手加減を知らない。
生き死にがかかった戦場を駆け回る為に厳しい訓練が課せられるのは当たり前の事だが、いかんせんやり方がおかしい。


大体何故(暇そうにしていた五条先生に)訓練を頼めば毎回絞め技か寝技ばかりかける。身体の密着が教師と一生徒の距離間では無い。

普通に身体に触るのは当たり前。手を恋人同士のように握られることも、首筋に息がかかる程近く密着することも、そして意識を混濁させる程強く人体の急所を締め付けられることもしばしば。


奇妙な生態の呪霊でもこんな生々しい攻撃はしない筈。
有るのは淡白な攻撃と、相手を殺すことだけに特化された技のみ。


これはあの人の盛大な嫌がらせではないか。
確かに私は近接での戦闘は苦手だが、あれは異常だ。



でもあの人が異常なのは前から知っていた。
そして異常な人間があの人以外にもいる事も知っている、





伏黒恵くん。
最初、申し訳ないことに名前からして「女の子」だと勘違いしていた私の前に現れた彼。

初対面で「わ〜、カッコいい男の子だなぁ」と目をぱちくりさせてそんな事を考えながら自己紹介した私に対し、礼儀正しく(少々ぶっきらぼうながらも)挨拶してくれたのを覚えている。



そしてその数日後、急に彼が私の部屋の前に来て「その左手の薬指、俺が予約します。もし俺以外の相手から指輪を貰って付けたりしたらその指を指輪ごと切り落とした上で相手の男を殺しますので」と真顔で言ってきた事も覚えている。


あの時君の印象は180度を超えて1080度くらい変わった。ただのヤベーやつである。



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