“呪刀”宿し少女、今日も元気に怨念を祓(ころ)す。【呪術廻戦】

九、「人間離れ」 ページ13

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とんでもない力で窓をぶち破り、その黒い何か＿＿＿いたどりくんは、勢いを殺すことなく飛び蹴りをぶよぶよに食らわせた。



「虎杖！？」

「ここ4階だよいたどりくん！！」

「悪りぃな、俺も人のこと言えた立場じゃねーわ！！」



ほんとだよ！私よりすごいことしたよ！！


いたどりくんはせんぱいたちをぶよぶよから引き剥がすと、廊下の反対側に着地した。

呪いはゆっくりといたどりくんたちの方を向いたが、隙を見てめぐみんが確実にトドメをさす。



「なんで来たと言いたいところだが、良くやった」

「なんで偉そうなの」

「いたどりくんすごい！今日のえむぶいぴー！」

「お？サンキュー？」



すごいすごいと持ち上げれば、満更でもない様子のいたどりくん。

ああそうだ。振り向き、めぐみんの犬たちがわふわふ食べ始めた呪いに近付いて木刀をつき立てる。甘いと復活しちゃうもんね。後処理大事ってみんな言うから。



「A？あの、A？」

「はい！」

「何してんの？」

「アトショリ！もう二度と起き上がらんように、最後まで仕上げます！」

「てかその木刀、どこから出した？」

「秘密！！」

「あ、そう……」



ぐさぐさぶっ刺しながら答えるといたどりくんはそっかそっかと頷いた。せっせと呪霊たちを処理してたら、木刀が何かに反応した。

いる。


振り返って2人を見れば、せんぱいを抱えたいたどりくんの上に大きな腕が伸びていた。



「めぐみんまだいるよ！！！」



その言葉に、めぐみんは咄嗟にいたどりくんを突き飛ばした。



「逃げろ」



すぐにめぐみんの服を掴んで後ろに引っ張れば、先程までめぐみんがいた場所に何かが落下した。

白い煙があたりいっぱいに広がる。視界が開けた頃に、めぐみんが新たな白いぶよぶよに捕まっているのが見えた。



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