二番目の愛 (ページ21)

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居酒屋を出た後、二人は何も言葉を発することなく、一直線にホテルへと向かった

部屋に入った瞬間、どちらからともなくキスをする

じっくりと絡み合うように、2人の唇は交差する

そしてもつれ合うようにして、ベットに倒れた

互いに上下する肩

想いが通じ合った後、初めて見るAの顔は、ひどく美しく、儚げだった

｢きたやませんぱい・・・」

｢ひろみつって、呼んで？」

｢ひ、ひろみつさん・・・」

自分の名を呼んでくれるAが愛おしかった

しかし、既婚者であることが頭をよぎる

｢A、あのさ・・・」

｢わかってますよ。だから、私を、二番目の女にしてください。二番目の愛を、ください」

あぁ、この子はわかってたんだ

わかってて、彼女はいるか？なんて聞いてきた

それは彼女なりのアピールの仕方だったのかもしれない

それを知った途端、余計に愛が増した

｢不倫、だぞ・・・今なら、引き返せる。」

Aは、今度は俺の大好きな笑顔で

｢戻りたくなんてない。私と一緒に、堕ちて___」

彼女の身体の全てを愛でるように、やさしく

彼女の心が俺にずっとあるように、激しく

彼女の全てを慈しむように、愛おしく

｢ひ、ひろみつ、さん・・・」

｢A・・・愛してる」

引いてはいけない、運命の糸を、二人で引いたんだ