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私は「着替えたら手伝いに行くからゆっくりでいい」と言い

父上の部屋に向かった


『父上、ただいま戻りました。初任務、無事に達成することが出来ました。ですが、まだまだ父上や兄上のような剣士には遠いです。なのでこれからも変わらず努力を...』


愼寿郎「無駄だ。お前に才能なんて、ましてや女だ。無理に決まっている」


『...鬼殺隊には女性隊員もいれば柱もいることもご存知ですよね。私は...』


愼寿郎「黙れ。入隊したてのひよっ子が分かった気になって何物を言っている。お前が努力してもそこらの隊員と変わらない。柱になれるのは極わずかな選ばれた人間にしかなれない。俺は才能なんてなかったがたまたまで柱になれたんだ」


父上は立ち上がった

そして私に近寄った


『いえ!そんな事言わないでください!父上は強くて立派な...!!』


鈍い音と頬に痛みが走り

血の味がした


愼寿郎「自惚れるなよ。俺が元柱だったからと努力次第でお前も杏寿郎も柱になれるとは限らない。なれるわけが無い。無いんだ...分かったなら出てけ」


『...っ...失礼します父上...』


父上の諦めたような、絶望したような言葉はもちろん痛かった

でもそれ以上に頬が痛い

優しくて強い父上によく笑って頭を撫でて

手を繋いでくれた手に

叩かれた

それがとても痛かった

酷く心が痛むせいか

酷く頭と視界がグラグラする

自室で隊服を脱ぎ袴に着替える

その間に溢れる涙

寂しくて、悲しくて、悔しくて

父上がなぜあんなふうになってしまったのか

色々考えた

母上が亡くなる前

父上がまだ炎柱として活躍していた頃

任務中にお酒を持って行く事が増えていった

その時からおかしくなってしまったのだろうか

そして母上の死によってあんなふうに...

私だって、兄上だって

母上が居なくなってしまったこと

今でも寂しくて悲しい

千寿郎は物心つく前だったから覚えていない

母の記憶がない寂しさもあるに違いない

父上も同じ寂しさ、それ以上だと言うことも分かってる

...私達じゃ、父上の支えにはなれないのだろうか

父上のお荷物なのだろうか

添え木すらなれないのでは無いかと思うと

悔しい

悔しくてたまらない

部屋の角にある畳んである布団に顔を沈め泣いた


...千寿郎、ごめんなさい

手伝いに行けそうにない...

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 兄妹   
作品ジャンル:アニメ
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美園(プロフ) - 面白かったです,心の中でこれからも楽しませてもらいます!素敵なお話ありがとうございました! (11月19日 22時) (レス) id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠羅 | 作成日時:2021年10月20日 8時

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