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『私も剣士になりたいです!』
それは唐突に放たれた言葉
槇寿郎「どうしたA…」
杏寿郎「うむ!いきなりどうした!」
『私も剣士になりたいです!!』
真っ直ぐな目と姿勢に圧倒される
愼寿郎「理由を聞かせてくれ」
『私も剣士になりたいからです!!』
愼寿郎「いや、理由になって...なってるのか...?...だがなA、鬼殺隊は甘くはないぞ。たくさんの人が死ぬ。柱の父であっても死ぬかもしれないんだ」
『だからこそ、たくさんの人が死ぬことを減らすのです!私が強い剣士になれば父上や兄上のお力にもなれますし!たくさんの命を失うこともないです!!』
杏寿郎「いい心構えだ!!だが、お前には刀を持たせれない!!」
『なぜ!?』
瑠火「A、父と兄は貴方を思ってるのですよ」
『母上!!』
瑠火「さ、昼食の準備を一緒にしましょうね」
いやぁぁ!!まだ理由を話してないですぅぅ!!!!、と叫びながら台所へと引きづられて行った
昼食からずっと拗ねているAは自室の隅で膝を抱えて座っていた
そこに兄の杏寿郎が寄る
杏寿郎「拗ねた顔も可愛いな!!」
『...(むす』
杏寿郎「うむ!!愛い!!」
ぎゅっと抱きしめる杏寿郎
するとじわじわとAの目から涙がこぼれた
『私も、剣士にぃ...』
杏寿郎「...どうしてそう思うのだ?」
『父上と兄上のような、強い人に、なりたいからです!たくさんの人を護るなんて素晴らしいじゃないですか!』
幼いながらも泣きながら話す
杏寿郎「確かに父上はかっこいい!!俺も父上のようになるのが目標だ!!」
背中をぽんぽんと優しく叩きながらあやす
3つ上の杏寿郎の心の内は
可愛い妹を危険なことをさせたくない
戦いとは無縁の生活を送り
心から優しくAをちゃんと愛してくれる男の元に嫁いで
平和に暮らして欲しい
だから、Aには刀など無用だと思い願っている
杏寿郎「...お前は刀など似合わない」
泣き疲れて寝てしまったAにそっと抱きしめて呟いた
杏寿郎8歳、A5歳の頃のことだ
そして日は流れ
『兄上!これから最終戦別へ参ります!』
杏寿郎「うむ!!必ずここに帰って来るように!!」
『はい!』
杏寿郎「Aなら大丈夫だ。行ってこい!!」
千寿郎「姉上お気をつけて」
『行ってきます!』
煉獄A、13歳
父上と兄上の思いを跳ね除け意志を押し通し鬼殺隊へ入隊した
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美園(プロフ) - 面白かったです,心の中でこれからも楽しませてもらいます!素敵なお話ありがとうございました! (11月19日 22時) (レス) id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠羅 | 作成日時:2021年10月20日 8時