12 ページ29
.
体調は一向に良くならなくて
お父さんは私を放置
風邪で死ぬかもしれない...
それかお腹が減りすぎて死ぬかも...
微かに聞こえる笑い声がうるさかった
換気もしてない環境が余計に気持ちが悪くなった
...家を出よう
このままじゃ本当に死ぬ
ドアノブを手にかけ開けようとする
力が入らなくて上手く開かなかった
ピーンポーン
誰か来た
「ったく、休みの日に邪魔しやがって...あいつか...？」
だるそうなお父さんの声がして「はい」とドアを開けた
マイキー「こんにちはー！椿Aさんの友達で、学校休んでるみたいでお見舞いに来ましたー！」
真一郎「これ、つまらない物ですけど...どうぞ」
「あー、ドモ...」
マイキーと真一郎君だ
遠くから聞こえた
ここを開けて欲しい
本当に死んじゃう...助けて
必死にドアを叩いた
けど虚しく届かなくて
「ガチャガチャうるせぇんだよ。風邪とか引くんじゃねぇよ。めんどくせぇな」
静かに怒鳴られ
見舞いの品だろうか
それをポイと捨てるように投げつけ出ていった
あぁ、もう終わった...
そう思った時もう一度インターホーンが鳴った
真一郎「何度もすみません。渡すものまだあって」
「んだよ。こっちも暇じゃねぇんだわ...ってゴラ！何勝手に上がってくんだクソガキ！！」
最後のチャンスだ
思いっきりドアを叩いた
聞こえるように
声はもう掠れて出ない
叩く度息が切れる
遠くの方でお父さんの怒鳴り声が聞こえる
マイキーと真一郎くんが名前を呼ぶ声が近くでする...
『...ぅ』
体が楽だ
息がしやすくて、頭も痛くない
真一郎「お、気づいた。おはよ」
『...あれ、病院...？』
真一郎「うん。Aちゃん、倒れててね、無理矢理病院に運んだ。頑張ったね」
頑張ったね
そう言われて、安心のような
心がふっと楽になった
じわじわと溢れて決壊した
真一郎「おー、よしよし。泣け泣け〜」
グリグリと頭を撫でて、背中を摩ってくれた
あの時お母さんに抱きしめられた感覚と似ていた
『...お母さん、に会いたい.....』
似てたからお母さんに会いたくなった
真一郎「もしかしたらすぐに会えるかもしれないよ」
そうにっこり笑った顔が見えた
──────────
遅くなりましたが、イラストできたので載せました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
珠羅(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます！制作中ですので、しばしお待ちください！ (2022年5月16日 20時) (
レス) id: 4ac8565e93 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年5月15日 20時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珠羅 | 作成日時：2022年5月12日 0時
