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自己紹介,その1 ページ5

場の張り詰めた空気が残り、しばしの沈黙が続く中、勇者の1人が口を開いた。

「……一応暫くの間共に過ごすんだし、自己紹介しないか?……数名知ってるヤツらもいるが……」

一同の視線が彼に集まる中、彼は言葉を続けた。

「俺の名前はマイクだ。……一応相棒と2人で都市の方を警備したりしてる」

しばしの沈黙が続いた。
都市と言えば上級勇者の集まるこの世界の中心部ではないか。
そこの警備だなんて、大物も紛れ込んでいるものなんだな。

「……で、俺の相棒なんだが……」

マイクが辺りを見渡す。

「あいつは他者に化けるが上手くてな。今もこの中の誰かに化けてるはずなんだが……」

ため息をつき「今のは聞かなかった事にしてくれ。もしこの場にいなかったら俺の杞憂で終わるだろうし」

そう言い口を閉じた。
マイクは大方言いたい事が終わったのか、次の人が口を開くのを待つかのように、目を瞑った。

「じゃあ次は僕が自己紹介するね」

マイクの左隣に座っていたくせっ毛で金髪の青年……確かロディと魔王に呼ばれていた青年が口を開いた。

「僕の名前はロディ。一応都市付近の町で貴族の護衛とか、色々してる」

机の上で手を組み、微笑んだ。
マイクに続いてこれまた凄い人がいたもんだな。貴族の護衛なんて相当の実力者でもないと声すらかけられないのに。

「……あ、じゃあマイクから反時計回りに行かせてもらうね」

ロディの左隣の黒髪ロングヘアーの女性が口を開いた。

「私も一応雇われで色んな所の護衛とかしてる。前お2人さんみたいに都市とかそんなんじゃないけど、まあ小さな町でやらせてもらってるよ」

慣れた口調で自己紹介をするミカに僕は感心させられた。
……と、反時計回りだと次は僕か。
都市の勇者に貴族の護衛、雇われ勇者の次に辺鄙な村の勇者か……なんかカッコつかないなあ。

「あ、じゃあ次は僕ですね。――僕の名前はフェイです。前御三方とは違い辺鄙な村で魔物討伐とかしてます」

座りながら一礼すると、周りの人間がざわつき始めた。
僕の名前を聞いた事があるのか、もしかしてあの子、や、あの家の子供?等様々な声が聞こえてきた。
敢えてそれに反応はせず、隣に座っていたクリスに目線をやった。
良いのか?と聞きたそうな顔だったが、静かに僕が頷くので何も言わずため息だけをついた。

自己紹介,その2→←御茶会



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作者名:たまご | 作成日時:2019年8月14日 9時

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