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部屋の方へ歩き出すと、思った通り、襖の前でたたずむ男が一人。


「よう、歳三。お前から直々にこっちに来るなんて珍しいな」


「ああ?…お前か。朝から何処ほっつき歩いてんだ」

「ちょっと屯所内をぐるりと」


面白いことに、歳三は部屋の襖とにらめっこしていた
ぜひ沖田に見せたいものだ。
二人で見た証には、指をさして笑ってやりたいものだ。

…これ殺されるな



「ったく、心配して損した」

「え?心配?あの副長が?」

「るせー!」



ふ、素直じゃねぇな
昔も、今も


「ま、ここで話すのもなんだし入ってくれよ」

「あぁ、すまねぇ」



__________




「んで?なんか用があって来たんだろ?」

「まぁな。聞きてえ事があってよ」



土方と向かい合って座る
あぐらをかいたら、土方にため息つかれた
だが気にしない


「なに?言ってみろ」

「お前、南雲と何があったんだ?」

「あぁ…それか」



朝からそれすか
キツいね土方さんよ



「まぁ簡単に言うと、人間界(こっち)に来て、歳三と会って、その次に苦しんでる南雲と出会って、助けてやったんだけどさ」

今更、隠すことなんて無いし、隠し事をしているんじゃ、過ちの繰り返しになってしまう

話そう

昔を思い出すように、目を細めた


「あいつの依存が激しくて」

「ほう」

「南雲がどういう心境でやったのかは分からないけど、狐の一族滅ぼされた」

「……は」

「びっくりだよな。俺もびっくりした」


はは、と頬を掻いて笑う


「私を閉じ込めたまま、あいつどっか行っちまってさ。今から考えるとどういう経路で行ったのかは分からんけど、狐一掃してたんだろうな。
…そんであいつ、血まみれで帰ってきてさ」


あの過去がクラッシュバックする

手に汗が浮かぶ
それを自分からも隠すように強く握りしめた


「『これで、Aは俺のものだ』って。笑ってやがった」



笑え、笑うんだ

ここで、歳三に変な心配かけさせちゃ駄目だ



「……おい」


「だから、だから、もう、春彦…に会えないんだ

春彦が、あの世界を納める日が来たら、また、会いに行こうって思ってたんだ
会って、少し話すだけでも、見るだけでもよかった
ありがとうって、言いたかったんだ」



「…姉さん」



もういい、と言うように歳三は私を呼んだ



「待ってくれまだあるんだよ」




全部、全部話そう

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - はい。楽しみです。 (2015年3月16日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そんな言われると泣いちゃうんですけど…?((今日、更新しようと思っているので、また見てくださいね! (2015年3月16日 7時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - あなたのような作品書きたいです。大好きです。感謝です。 (2015年3月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 春彦いいやつですね本当。毎回応援ありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 夜神さん» そこは、永遠の18歳ということで←ババくせぇ。いつもみていただいてありがとうございます! (2015年3月16日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドラごん | 作成日時:2014年7月20日 15時

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