【薄桜鬼】めったに咲かない花＿僕らと君の満月日＿ (ページ9)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:172,533 hit

09 ページ9

Aside

「やだ！！やめろ！！やだ！」

男1「うるせぇなっ！」

＿＿＿＿＿＿ガッ…

「……っ………」

痛い…

腹に一発食らった

もう散々だ

何度こんな目にあえば良いのだろうか

でも、守らないと

あの子達、守らないと

僕の髪を掴み、顔をあげさせると

男はこう言った

男2「お前がいれば、金がもらえるんだよ！大人しく捕まってろ！

ったく、手間かけさせやがって」

「……や……だ…」

返して、僕を家に返して

あの子達、守らないと、だめ

男1「黙れって言ってんだろ！！」

男の腕の中に光る物が見えて

＿＿＿＿ヒュン！

「あぁぁっ！！……」

僕の腕を浅く斬った

着物に血がにじむ

男2「…なんだこいつ、化け物のくせに斬られても血は出るんだな」

いや…化け物言わないで

また、守れないのだろうか

罪の無いあの子達を、守れないのだろうか

それでも必死に抵抗しようと

力を振り絞って、男の足へ手を伸ばしていると

原田「っ……おい！！！」

男2「…なんだてめぇ！邪魔すんじゃねぇ！」

原田「！！」

平助「…左之さん…こ、これ…」

…この声、聞いた事ある

藤堂「…この子だよな」

原田「…あぁ。間違いねぇ」

男1「…ちくしょう！邪魔が入った。行くぞ！…」

原田「逃がしはしねぇよ！！」

男2「何っ」

原田「お前ら何者だ？」

男1「……っ…」

藤堂「言えっていってんだよ！！」

＿＿＿＿＿＿シュパッ

男1「ぁぁあああ！！」

原田「女にこんな事するとは…男失格だ！！」

＿＿＿＿＿＿ビュン

男2「…ぐっ……」

男が殺られている姿を、僕は見る事しか出来なかった

藤堂「おい！大丈夫かっ？」

また、また斬られるの？

「……いや…子供…助け……ゴホッ……ぅっ…あ……」

原田「取り敢えず、大怪我負ってっから、屯所連れてくぞ！」

「……っう…」

太刀があったはず

どこかに

太刀で斬れば、あの子達、守れる

あの子達、守らないと

僕を連れていかないで

原田「失礼」

その時、体が浮く感覚がした

藤堂「だ、大丈夫か？おい！」

「……？」

大丈夫って聞いたの？

僕に大丈夫って言ったの？

胸元にある太刀に手をかけた手がするりと落ちた

それは、もう太刀を掴む気力が無かったのか

それとも、聞いた事のある声を斬ろうとする事が出来なかったのか

まだ頭の中で整理も出来ずに
意識が遠のいて行った