86* ページ37
・
そこに書かれている文字。
ー7月16日 夏祭りー
心の奥からズンズンと込み上げる甘酸っぱい切なさ。
思い出すのは、一年前のあの日。
幸せいっぱいだったあの時間。
「……みなみ、また今年も風雅くん誘ってみるの？」
「うーん、どうしよっ笑…Aは行くん？」
「私は……多分行かない」
「そっか…」
そう言った彼女の横顔は、少し申し訳なさそうにも見えて。
机に隠されたチラシ。
最近、風雅くんとの距離があの頃よりも縮まってきているみなみにとっては、今年の夏祭りも、勇気を出して誘いたいんだと思う。
私の気持ちとは裏腹に。
「……やっぱり、今年はAと行こっかな！風雅先輩、多分友達と行くやろうし笑」
「え、そんな、悪いよ」
「ええねん、ええねん！！行こ？？」
本当は迷いがある。
夏祭りに行けば、嫌でも1年前の出来事を思い出してしまいそうだから。
それでも、みなみは私に切り換えてもらう為に、誘ってくれたんだ。
「そうだね、私も暇だし。一緒に行こっか」
「何の話してんのー？」
と、突然、背後から顔を覗かせて、床に落ちているチラシを拾い上げたのは斗亜ちゃんだ。
「あぁ！夏祭り！Aちゃん、勿論僕と一緒に回ってくれるよな？」
「なーんで斗亜がおるんよ」
姿を現したいつにも増してハイテンションな彼にみなみが質問する。
「おったら変ですかー？」
「さっき、斗亜ちゃん女の子に呼び出されてたよね？」
言ってからしまったと思った。
でも、口にしてしまったからにはもう手遅れで…
「それってヤキモチ？？それならめちゃくちゃ嬉しいんやけど！！」
「そ…そんなんじゃないよ」
「A、斗亜のことはほっといて二人で計画たてよ。何時にどこで待ち合わせする？」
斗亜ちゃんそっちのけで話を進めるみなみ。
「先越されてた〜！二人とか言わんと、僕も入れてよっ！」
斗亜ちゃんは、やっぱり可愛い。
そんな斗亜ちゃんの可愛さに、流石のみなみも弱いようで…
「んー、Aがいいなら一緒にまわる？」
みなみがこちらに返答を求める。
「私は全然いいよ？」
「じゃあ、三人で回ろっかー。私たちの邪魔しんといてやっ」
「ほんまに！？やったー！」
やっぱ女子より可愛いじゃん笑
どんなに辛いことがあっても、どんなに苦しいことがあっても、無情にも時は流れていく。
三人は7月16日の夜7時、駅前で待ち合わせをする約束を交わした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 625人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アババ - はんなり豆腐さん» いえいえ笑こんな駄作を読んで頂けていることに感謝です…！ (2020年4月7日 20時) (
レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
はんなり豆腐(プロフ) - アババさん» うるさいやつですがそんなに優しく言っていただいて嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年4月7日 19時) (レス) id: dba7803696 (このIDを非表示/違反報告)
アババ - はんなり豆腐さん» もう、全然構いませんよ！逆に読者の方々とやり取りできるのは、ジャニオタとしても作者としても嬉しいかぎりです…！ (2020年4月7日 11時) (レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
はんなり豆腐(プロフ) - アババさん» はい！もーアババさんがうざって思うぐらいコメントさせていただきます！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: dba7803696 (このIDを非表示/違反報告)
アババ - はんなり豆腐さん» うわー、マジですか笑お話の構成うまくいってないかなーって思ってたんで安心しました…(ホッ 続編でもご感想お聞かせくださいね！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アババ | 作成日時：2020年2月16日 17時
