突然の * 03 ページ3
体調は別に悪くないんです。ただ、もう自分がダメすぎて涙が出るんです。
なんて見ず知らずの人に言えるわけもなく、泣いてるのがばれるのも嫌だったので、とりあえず、顔を伏せたまま首を横にふった。
これで、体調が悪いのかに対してはNOという事が伝わっただろうか。そう考えてたら、いきなり、肩にふわっと重みを感じた。パーカーが掛けられたのだ。
「この時間はもう肌寒いですよね、よかったら使ってください」
声の主の優しさに泣いていることを忘れ思わず顔を上げた。そして目があった彼の優しい笑顔に見とれてしまった。
「ありがとう、ございます」
「とんでもない、どうしたんですかこんな時間に」
どうしたのか、という質問に対しての始まりは元カレの事からだが、この場に適した答えがそれでないことくらい、いくら私が酔っていてもわかる。
「鍵を無くしちゃって、部屋に入れなくて、ははっ」
「鍵を？・・・入り口のオートロックは？」
「たまたま人が出てきたので、普通に入れて鍵は使わなかったんです」
「なるほど・・・因みに変な質問なんですが、俺の事わかりますか？」
そう聞く彼は、年齢は大体同じくらい。
身長はそんなに高くない。長髪を後で一つに結っておりキャップのつばを後ろにくるように被っている。
"俺の事わかりますか？"
何処かで面識があったのだろうか。
会話を交わした過去があったのだろうか。
はたまた友達の友達とかで同じ空間に居たことがあったのだろうか。
一瞬にして色んな事を考え、また彼の目を見る。少したれ気味でとっても優しそうな目。
「もし何処かでお会いしていたのであれば、すみせん、まったく覚えてなくて・・・」
嘘はつきたくないし、ついたところで何の意味もないことだってわかる。だから、わからない、知らない、はたまた会ったことがあるとするなら、覚えてない。それ以外はないのだ。
そう答えたら、彼は笑顔を浮かべ
「ちょっとまってて下さい」
と言い残し、隣のお家に入っていった。
一体何の質問だったんだろうか。そして急にはっとして自分がさっきまで泣いてたのを思いだし、目元に残った涙を拭い、出来る限りの平静を装ってみる。
そうこうしてる内に隣のお家の扉が開いて、中からまた別の男の人が出てきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めいみ(プロフ) - Chさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*´ω｀*)初めて書いたフィッシャーズの夢小説なので、そういって頂けると本当に嬉しいです♪短編もあるのでよろしければそちらもご覧下さい♪♪コメントありがとうございました！ (2019年9月6日 19時) (
レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
Ch(プロフ) - 前途多難な恋だから、めちゃくちゃツボですーーー！！！最高すぎて何て感想を述べたらいいかわからないので、めちゃくちゃ好きですとだけ！言わせてください！ (2019年9月6日 19時) (レス) id: 14fa37869b (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - そいさん» そいさん、コメントありがとうございます！好きだなんて、ニヤニヤしちゃいます(笑)こんなお話でも読んで頂けて楽しんで頂けているのであれば、本当に嬉しいです（つд；*)仕事終わり次第今日中更新できると思うので、今しばらくお待ち下さい♪ (2018年12月12日 17時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
そい(プロフ) - あの 好きです(語彙力喪失 展開が私好みすぎて……めっちゃ焦れったいけどもっと焦らしてくれなんてMっ気のあるようなこと考えながら更新があるたびに最初から読み直してます笑笑 (2018年12月11日 22時) (レス) id: 251e5350d1 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - 自然(??ω??)?さん» ありがとうございます！！そしてご指摘まで（つд；*)めっちゃ恥ずかしい間違いしてますね、私(笑)地味に訂正していきます！一応半分は終わりました！また何かあったら是非教えて下さい（つд；*) (2018年12月3日 17時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：meimi | 作成日時：2018年11月6日 23時
