life 63 ページ25
緋山side
藤「あーあ、結局朝になっちまったなぁ」
冴「そうね。――――でも、話せてよかった」
遅くまで飲み明かした私達だけれど、もう酔いの面影はない。
緋「ね、ふたりとも顔やばいよ?目真っ赤だし、冴島の化粧もボロボロ。」
昨夜、泣きはらした藤川夫婦の顔の酷さを指摘すると、ふたりは恥ずかしそうに笑った。
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横「あ!おはようございまーす!」
横峯の相変わらず緊張感の声が聞こえてきた。
冴島と顔を合わせて苦笑しながら横峯に挨拶を返す。
緋「おはよ、朝からうるさいわねぇ…」
冴「おはようございます。そういえば、頼んでおいたカルテは?」
冴島の言葉にサッと顔を青くさせた横峯は、「今すぐっ!」と一言残して病院の中に消えていった。
その姿に思わず笑みをこぼす。
横峯の後を追うようにそのまま院内に入り、着替えを済ませるとそれぞれの仕事につく。
―――とは行かずに、私の目にフラフラとおぼつかない足取りで病棟をさまよう後ろ姿が飛び込んでくる。
緋「…―――‥?」
入院着を着ているいうことは患者だろうが、見たことがあっただろうか。
救命の患者じゃない可能性もあるが、危なっかしい足取りをしているため、放っておくことは出来ない。
すぐさま駆け寄り顔を覗き込む。
緋「どうかしましたか?」
「ああ、あのねぇ、病室が分からなくなっちゃって!あははっ」
何が面白いのかまったくわからないけれど、楽しそうに笑う女性から、どこか見知った顔と同じ雰囲気が感じられた。
緋「…あの、失礼ですが、お名前は…?」
沙代「あははっ雪村沙代でぇーす!双葉ちゃんいる?」
――――え、雪村の?
――――そ。雪村沙代さん、アルコール依存症だってさ。
昨日藤川と交わした会話が脳裏に蘇る。
――ああ、この人か。
先ほどからアルコールを摂取していることは気づいていた。
入院中の患者がアルコールを、取っているなんて、まさか…と思っていたことがぴったりと当てはまる。
――確か、雪村さんを診たのは藍沢だったな。
PHSで藍沢にコールをかける。
藍「はい、藍沢です。」
緋「救命スタッフステーション前で雪村沙代さんがさまよってた。すぐ来て。」
藍「分かった。」
その間も雪村さんは暴れ続けていて、ただただその声が院内に響き渡っている。
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らむれもん - キラあやさん» 応援ありがとうございます!コメント励みになります。頑張ります!(^^) (2018年8月26日 20時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - らむれもんさん» そうですか、応援してるのでこれからも頑張って下さい! (2018年8月26日 20時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - キラあやさん» そうですね…ある程度票が集まったら、と考えているのですが、多分、もうそろそろなはず…です! (2018年8月26日 16時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - 次の作品っていつ頃になりそうですか? (2018年8月26日 14時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - 彩さん» コメント、ご意見ありがとうございます!橘先生がお好きなんですね。今後絡みを増やします! (2018年8月26日 11時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむれもん | 作成日時:2018年7月27日 15時