コード・ブルー departure farewell -第２章-

life　40 ページ2

藍沢side









藍「…無理だ。」









『、なん、っで…？』









Aの優しさに、医者としての気持ちの強さに、胸が張り裂けそうになるのを必死にこらえ、Aに向き合った。









藍「…お前は必要とされている。愛されている。みんなにも、…俺にも。






みんなお前を失いたくない。またメスを握ってオペするAを待ってるんだ。








…俺もお前がいなくなるなるなんて想像したくない。」









『…、あり、がと…』









自分でもびっくりするくらいスラスラと言葉が並べ立てられる。









「ありがとう」という言葉を残して目を閉じたAを見て、俺の中にとどまっていた焦りが溢れ出す。









藍「っA！！！聞こえるか、A！」






冴「血圧下がってます！」









嫌な音をたて始めたモニターに焦りを倍増させられて、小さく舌打ちをする。









緋「挿管する、7.5チューブ。」




冴「はい！」









意識レベルが300になり、冴島や緋山の動揺も伝わってくる。









藍「瞳孔不動が出てきた、脳ヘルニアかもしれない。」





緋「私腹部診てみる。そっちは任せるわ。レスキュー！」









10年あったからこそ築けたチームワークで治療をしていく中、心電図はけたたましく鳴り続ける。









藍「まずい、瞳孔不動進行してる。ここで穿頭するしかない、冴島サポ入ってくれ。」





冴「分かりました。」






緋「こっちも出血増えてるわ、鉄筋抜くしかない。」









同時オペ。









かなりのリスクがある









…おそらく後遺症が出るだろう。









手に後遺症が出たらリハビリが必要になるし、回復する可能性も低い。









医者も続けられないかもしれない。









それでも俺は命を優先する。









命がある限り、Aは医者でい続けると、信じてるから――。

life　41→←前回までのコードブルー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す