１００と２０と２ ページ31
ビーッ、というブザー音と同時に、生徒たちは雄英の中でも一二を争う広さの市街地に駆け出した。
なるほど、お互いに補い合える小隊を作って、担当地区を決めて人形を探す感じか。
八百万ちゃんが作った無線通信機を持ってるのは良い。多分、最初の戦闘訓練で使った奴と同じ型だね。
うんうん、索敵役の耳郎ちゃんと障子くんは別の隊、空戦能力持ちもきちんと分散してるね。
小柄かつ垂直な面を登れる峰田くんはごちゃごちゃした工業地帯、梅雨ちゃんは…大きな池がある公園か。
人形を抱えていると隠密系の“個性”を活かせない葉隠ちゃんを、完全に切り離して別働隊にしたのは加点ポイントだね。
メインの司令塔は八百万ちゃんか。最近、自信をなくしているみたいだったけど、指示は鈍ってない。やっぱり頭良いな〜。
…じゃあ、その辺りから狩っていこう。
五分経過の合図を聞いて、私はにやっと笑った。
私を飲み込もうとする大氷壁を、すんでのところで躱す。あっぶな、なんか私の周りだけ氷の先端が鋭いんだけど！
八百万ちゃんの声を頼りに、住宅街まで来たんだけど…。
「…あらら、読まれてたか」
現れた人影に、たはー、と気の抜けた笑顔を見せる。
八百万ちゃんが駆けていく足音が、彼の背後から聞こえた。
「八百万の言った通りだったな。三空なら、連携を崩壊させるために、まずはブレーンを狙うって」
それを利用して、轟くんに待ち伏せさせていたってわけか。彼の音が聞こえなかったのは…、ああ、あの建物か。
防音壁にしてあるんだよね。何だっけ、確か市街地の小さなピアノ教室がコンセプトだとか言ってた。
雄英って、何故か細かいところ凝るんだよなあ。
「生身なら氷を蹴り砕くなんて出来ねえだろ。これで終わりだ」
轟くんが、再び“個性”を発動させようとする。先ほどの規模の氷壁をこの距離で出されれば、普通の人間の速度じゃ逃げ切れない。つまり私は負ける。
「…と、思うじゃん？」
そう考えたんだろう。ああ、やっぱり、賢い人は分かり易い。
初動で自分の能力を見せつけ、危険視させる。そうして誘き寄せて、広範囲大火力の轟くんで捕まえる。
なんて優等生的模範解答！
…あのね八百万ちゃん、生身だからって、身体だけが武器なんて、そんなわけないでしょ？
私がトリガーばっかり使って普通の武器は使わないから、勘違いしちゃった？
直後、フィールドに轟音が響き渡った。
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零奈 - 紺青さん» 嗚呼、環くんが期待通りの可愛さ……。流石です！ (2019年7月29日 22時) (
レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» 待たせてしまってすみません！ 楽しみにしててくれてありがとうございます！ (2019年7月29日 12時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 環くん！ 環くんが！ そろそろ出るんですね！！ 今から楽しみです！ (2019年7月28日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 紺青さん» 是非是非、座右の銘にどうぞ！ (2019年7月11日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» その言葉を千悠が聞いたら、「それ座右の銘にしようかな…」って真剣に悩むと思います（笑） (2019年7月10日 16時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年6月19日 18時
