１００と４ ページ13
選手入場が始まる直前、私は実況室までの廊下を歩いていた。
いやあ、それにしてもさっきの爆豪くんは面白かった。マイクさんに巻き込まれたイレイザーさんにも、見せてあげたかったのに。でも、イレイザーさんが実況解説してくれた方が面白そうだし。
そんなことを考えていたら、いつの間にか目的地の扉の前に居た。中からは必死に拒否するイレイザーさんと強引に席に座らせようとするマイクさんの言い争う声が聞こえる。
すう、と息を吸い込んでドアノブを捻る瞬間、視界の隅に
「おはようございまーす！」
バッとこちらを向くお二人。お顔が険しい。まるで、敵と対峙している時みたいだ。
いや、相手にとってはまさにそうなんだろうけど。
「誰だ」
「ここは関係者以外立ち入り禁止だぜ？」
うわあ、めっちゃ警戒されてる。
臨戦態勢になったマイクさんとイレイザーさんに苦笑して、ぱっと換装を解いた。
一瞬にして、紺っぽい黒髪に桜色の目の中性的な少女から、茶髪に青色の目の彼らにとって見慣れた少女の姿になる。
「…セイガ？」
「いえーす！ “個性”を使って変身してみました！」
「本当に何でもアリだなそれ！」
マイクさんが驚いたような声を出して陽気に笑う。
そう、私はセイガの知名度を上げないため、雄英体育祭の警備では換装体を弄って変装することにしたのだ。
紺色がかった長い黒髪を後ろで一つの三つ編みにし、瞳は桜色に。鋭い吊り目は、笑みを消すと一気に印象が変わる。
ちなみに服装は、白と青とグレーを主に使った、RPGの狩人っぽい感じだ。
「この姿の時にセイガとか三空とか千悠とか呼ばないで下さいね、ってことを言いに来ました。どうしても呼ばなきゃいけないなら、『シュウ』で。あ、『マイハニー♡』でもいいですよ」
「誰が呼ぶか」
「ナイスツッコミ！」
マイクさんと一緒に捕縛布でギリギリと締め上げられた。
巻き込み事故！ と悲鳴をあげていたが、どうせなら巻き込まれてよマイクさん。イレイザーさんに実況させるための手間賃だと思って、ね？
「あ、本題を忘れるところでした。はいこれどうぞ、イレイザーさん」
「これは？」
「有力な普通科生徒の資料です。名前は、心操人使」
「へえ…」
明らかに興味を持ったイレイザーさんが資料を熟読するために、恐らく無意識に椅子(実況席)に座った。
私とマイクさんは固い握手を交わした。
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零奈 - 紺青さん» 嗚呼、環くんが期待通りの可愛さ……。流石です！ (2019年7月29日 22時) (
レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» 待たせてしまってすみません！ 楽しみにしててくれてありがとうございます！ (2019年7月29日 12時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 環くん！ 環くんが！ そろそろ出るんですね！！ 今から楽しみです！ (2019年7月28日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 紺青さん» 是非是非、座右の銘にどうぞ！ (2019年7月11日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» その言葉を千悠が聞いたら、「それ座右の銘にしようかな…」って真剣に悩むと思います（笑） (2019年7月10日 16時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年6月19日 18時
