39 ページ14
「おはよう」
目を覚ますと、側には涼星がいた。
ゆっくりと体を起こすと、当然のように抱き上げられた。
「今日はお前の好物だぞ」
嬉しそうにいう声に、私は思わず笑う。
「嬉しいよ」
そっと椅子に下ろされた。
湯気をあげるご飯を前にして、手を合わせる。
「美味しそうだね」
箸を取って卵焼きを切り分ける。
「……この家に来てから、一回も料理してないな」
「別に気にすることはない」
涼星が微笑んだ。
これからも、料理することは無いのだろうな。調理台の前に立てなくなってしまったのだし。
卵焼きを口に入れる。
だしが程よい卵焼きは、とても美味しい。
「……やっぱり美味しい」
「そうか。どんどん食べろ」
言われた通りにもぐもぐと食べて、ついに器が空になった。
太ってしまうな。
「明日から、もう少し量少なめでお願いします」
「……ああ、わかった」
皿を片付ける涼星を横目に、椅子からおりようとする。
やや失敗して、ゴン、とすごい音がした。
「……、おい！」
涼星が駆け寄ってくる。
「大丈夫か！？」
「うん。全然大丈夫」
死ぬ寸前まで血を吸ったり、アキレス腱を切ったりしたやつが今更何を言うんだ……。
と思ったか言わないでおいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほっ - え、今更新中止しますか！？めっっっっちゃいいところだったのに！？？ (2022年3月6日 13時) (
レス) @page49 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - あ”ぁ”ぁ…っ、ちょ、いいところっ……！！今！いいところぉっ……… (2021年7月31日 2時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
あま - 一番気になるところで… 更新待ってます！！！ (2020年6月20日 23時) (レス) id: 621034dbe1 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 今、更新停止中ですね。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: a614cebea9 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 更新楽しみにしてます…！吸血鬼様良き… (2019年11月22日 16時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
