23話 ページ47
深海「A」
うまく回らない首を動かした。
数メートル後ろに涼星が立っている。
右手には、大きなのこぎりのような刃物。
深海「勝手にこんなところに入っちゃだめだぞ」
声は、優しい。
俺は一歩後ずさった。
すぐに机に体が当たる。
深海「ああ、読んだのか」
涼星がちらりと日記に目をやる。
足に力が入らなくなって、俺は床に座り込んだ。
榛原「…涼星、やめて、」
涼星が俺の前まで歩いてくる。
喉が縮んで、声が出ない。
深海「ほら、足伸ばして」
榛原「涼星…っ！」
深海「痛いけど、お前なら耐えられるだろ？」
怖い。
涙がぽろぽろと落ちる。
深海「A？」
榛原「やだ、ッ」
深海「嫌？」
温かい手が頭を撫でる。
俺は怖くて切なくて、泣いた。
榛原「…あと一回だけでいいから、」
信じてほしい。絶対に離れないって。
嗚咽のせいで言葉にならないけれど、涼星には俺の言いたいことが分かったらしい。
深海「……ごめん」
涼星は俺を抱き上げて、机の上に座らせた。
目線が同じくらいの高さになる。
深海「…Aが離れないなら、もう泣かせるようなことはしない」
榛原「……ん」
涼星の首に腕を回す。
独特の良い匂い…に混じって血の臭い。
……。
榛原「……誰か、ほかの人の血吸った？」
深海「…お前鼻良いな」
思わず涼星の胸ぐらをつかみ上げた。
榛原「お前俺に離れんなとか言っといて何やってんの！？ねえ！？」
挙句の果てに足まで切ろうとして！！
深海「ちょっと待て、聞け。おい」
榛原「なんだよ！代わりいっぱいいるなら俺なんてどうでもいいだろ！！」
また泣けてきそうだ。
俺は思いつく限りの暴言を涼星に浴びせた。
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大草原ぴえん丸 - すごい良いですね！(数年前の作品にすみません！) (8月17日 21時) (
レス) @page2 id: 8e4784552b (このIDを非表示/違反報告)
なめこ好き - メッチャ私のお気に入りになりました！(*^^*)頑張ってください！ (2018年9月17日 20時) (レス) id: 2f8ccb0650 (このIDを非表示/違反報告)
ﾀﾞﾀﾞ - このお話大好きです。続き楽しみに待っています。 (2017年6月7日 19時) (レス) id: 3e11cade8a (このIDを非表示/違反報告)
レン - 続き、楽しみにしてますね♪更新頑張ってください！ (2017年5月24日 9時) (レス) id: b50ec71b84 (このIDを非表示/違反報告)
るな - のんちゃんさん» 良いですよね！特別感が生まれる笑 (2017年3月5日 19時) (レス) id: 778efceaa7 (このIDを非表示/違反報告)
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