Four。 ページ6
「いや、本当に意味が分からないじゃんね」
「そんなことないでしょ」
コンビニで買ったであろうサンドイッチを口に含みながら、同僚は不満げに嘆いた。
私の手元には、相も変わらずコンビニ弁当。
「確かに話し合ってとは言ったけど関係性を戻してとは言ってないよ」
「成り行きだから仕方ないじゃない」
「だからって、あのさあ、伊沢さんのこと好きなんじゃないの？」
そんなに、分かりやすいだろうか。
先日、田村さんに言われた事を思い出す。田村さんといい、同僚といい、鋭すぎやしないか。
だって何年も隠し通してきたんだぞ。
いや、田村さんにはバレていたみたいだけれど。
「好き、じゃないよ……」
「高木さん。別に伊沢さん本人にその気持ちを伝えろとは言わないよ。でも、自分に嘘を吐いたらダメだよ」
「恋愛の大先輩の言葉？」
「やめてよ、ばかっ」
同僚は彼氏さんと上手くいっているらしい。
いまでもたまに彼氏さん手製の弁当を持ってきては嬉しそうに写真に納め、そして勿体なさげに食べ始めるのだ。
聞くに、一緒に住んでいるわけではないし、彼氏さんの仕事が忙しい時はお互いの家に帰るのだが、余裕がある時はいつもどちらかの家で一緒に過ごすらしい。
ああ、田村さん。こういうのを半同棲って言うんですよ。
なんてあの先輩の顔を思い出してみるけれど、よくよく考えればあの頃の伊沢と私の関係性との違いは、何なのだろうか。
「まあ、とにかく、仲直り……いや、喧嘩していたわけではないけど、仲直り出来たみたいで安心したよ。最近の高木さんはより一層可愛いしね」
「冗談はやめて」
「本当だよ。営業部の彼も、高木さんのこと気になっているみたいだしぃ〜？」
誰だっけ、それ。
あぁ、この前の飲み会で絡んできた人か。
あれ以来、飲み会には顔を出していないし部署が違うのでそこまで関わりがある訳ではない。
「興味ないなあ」
「可哀想に」
だって最近は伊沢の事で色々ありまくったんだ。
他の人のこと考えれるほど、余裕なんてなかったんだよ。
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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (
レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです！最後までお読みいただきありがとうございました！ (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました！クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たかせ
| 作成日時：2020年4月4日 12時
