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Twenty-one。 ページ20

「高木さんって、東大出身なんですよね」

「まあ、はい。そうですね」

「さぞ、聡明なんでしょうね」


そうでしょうか、なんて適当に返しながら頭の中でマナー本を開く。
その後もなんか色々な自慢話とか、ほんと、なんかよく分からない話をされたのでとにかく微笑みながら相槌を打つ。

伊沢なら本当に聞いているのか、と唇を突き出しながら拗ねるのだろう。

いやむしろこの場だと、私がマナーに不安を持っていることを見抜いて手本だと言いながら教えてくれるに違いない。

あの人は確かに意地悪だが、結局最終的には優しくしてくれるのだ。


「高木さん」

「あ、はい。なんでしょうか」

「いえ、やはり、今日食事をしていて思ったのですが、やはり僕には高木さんがぴったりだと思うんです」

「は、はあ……?」


他の女性社員のように派手ではなく慎ましやかで、東大出身なこともあり聡明。
決して男性の話を無碍にするのではなくたてるように相槌を打つし、マナーも完璧じゃないですか。


あ、マナー合ってたんだ良かった〜、なんて思う。


「高木さん、よろしければ僕と結婚を前提にお付き合いしていただけないでしょうか」


勿論嫌ですけど。と返事をしたい。

彼が語った私は私ではないし、そもそも僕にぴったりって何。しかも男性を立てるっていうのも意味がわからない。
女性は3歩後ろを歩く時代の方か何かですか?

営業部だから、コミュ力高いから面倒臭い以前に人となりが面倒臭い……。

てか名前知らないし。

やはり伊沢の言う通りにきっぱり断っているべきだったんだ。

あと顔が好みじゃない。


「あの、高木さん?」

「あぁ、申し訳ありません。つい放心してしまいまして」

「……ではっ、このお話を」

「いえ、お断りさせていただきます」

「なっ!」


心底驚いたとでも言うように目を見開く目の前の男。


「ど、どうしてですか、高木さんは僕に合う最高の女性です!」


うん、だからなんであなた中心で世界が回っている、みたいな言い方なのだろうか。


「そうですね、強いて言うなら、クイズ出来ますか?」

「は、はい?」

Twenty-two。→←Twenty。



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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました!クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかせ | 作成日時:2020年4月4日 12時

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