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Fourteen。 ページ16

「一応、経済学部の出です」

「じゃあ伊沢さんと一緒ですね!」

「そうですね〜」


だ、そうですよ! 伊沢さん! とキッチンにいる伊沢さんに声をかける山本さん。

伊沢さんは曖昧に頷くと作業に戻っていく。


「なんで須貝さん、高木さんが東大出身って知ってたんですか?」

「あぁ、田村くんから聞いたのよ」

「え、高木さんって田村さんの知り合いなんですか!?」

「まあ、はい、そうですねー」


前回口止めしたこともあってか、須貝さんは伊沢と私の関係性を口にすることはなかった。

が、しかし、田村さんの話してしまえば伊沢に繋がるでしょ。
もしかしてわざとですか?
いや、須貝さんに限ってそんなことはないだろうけど。


「はいお前ら〜、そんな高木さんに寄ってないで飯の準備!」


タイミングよく、準備が終わったのかお皿を持って来はじめる伊沢。

大勢の人で食べるのに何故まあこの料理を選んだのだろうか。
大きなお皿に入った金平ごぼうや肉じゃが、そして彼にしては珍しくもカット野菜。

紙皿を渡されながらも周りを見回すと、他の人たちは随分と驚いたように写真を撮っていた。


「お前らが家庭料理とか面倒なテーマ付けたせいで大変だったわ!」


鍋の方がいいだろ、なんて言う伊沢の声は、誰の耳にも届いていないようだった。


「伊沢さん、料理出来たんですね」

「そりゃあ一人暮らし長いからな!」

「いや、俺一人暮らしですけど出来ませんよ!?」


どうだどうだ恐れ入ったか、と茶番を続けながらも、伊沢は私の手元から紙皿を取るとおかずを取り分けてくれた。
ついでに、もう一つ紙皿を出して野菜を多めに入れてくれる。パプリカは、器用に避けられた。


「はい」

「ありがとう、ございます」


料理に気を取られているのか、みんなが私たちの行動に疑問を呈することはなかった。

いただきます、なんて行儀良く挨拶をして進められる箸に、美味しいと声をあらげるみんなに、少しだけ「そうだろう」なんて私のことじゃないのに誇らしく思う。


「伊沢さん、辛党なんに味付けは甘めなんですね」

「あー、まあな!」


川上さんの鋭い指摘に、少しだけドキリとした。

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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました!クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかせ | 作成日時:2020年4月4日 12時

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