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Ten。 ページ12

「手っ取り早く男の人の誘いを断る方法って何。東大最強の知識王」

「いや、何急に」


家に帰ると伊沢がカレーを煮込んでいた。まあ、なんともタイムリーな。

手元を見ると、出されているカレールウのパッケージには甘口と書いてある。


「えー、ヤバい。来週もう病欠しようかな。来週風邪引く予感がする。予定は確定」

「それを言うなら予定は未定」

「てか眼鏡曇ってるじゃんおもしろ」

「うるさい」


伊沢にだけは言われたくない言葉ランキング殿堂入りを果たすであろう言葉を言われた。

いや、私といるときはそこまでうるさく話しているわけではないので別に本人に対して頻繁にうるさいと言うわけではないのだが。


「取り敢えず、先に風呂入って来な。ご飯はそれからな」

「はーい」


着替えとタオルはもう置いてるから、なんて言う伊沢の言葉のとおりに、洗濯機の上に着替えは置いてあった。

縦型からドラム式に変えた洗濯機は、回ってはいないが中身が入っていた。遠くから、洗濯機のスイッチを押して、と声が聞こえる。

外に洗濯物を干すのが嫌いな私は、風呂場に竿をつけて乾燥機で乾かしているので、洗濯が終わるまでには上がった方がいいだろう。

今日は湯船に浸かれそうにない。

まあ、湯船に浸かる時はいつも長風呂しすぎて怒られるので、平日はシャワーで済ませるようにしている。
伊沢も、それを分かってて洗濯機を回せと言ったのだろう。

ピッ、という電子音と共に動作を開始する洗濯機を後ろ目にカゴに服を放りこんで風呂場に入る。

昨日空だったように思えたシャンプーとリンスは、中身が随分とたっぷり入っているように思えるのだった。

Eleven。→←Nine。



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緑の白猫 - お話が綺麗に終わり、伏線回収まで綺麗で、読み終えた時に、清々しさと良い小説を読んだ時特有の多幸感に満たされました。良い作品をありがとうございました。 (2021年4月2日 16時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - くぅかなさん» キュンキュンだなんて嬉しい限りです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2020年4月6日 14時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
くぅかな - 一気読みさせて頂きました!クライマックスはもう…熱が出たんじゃないかっていうくらいキュンキュンしてました笑 (2020年4月6日 14時) (レス) id: 8242ba3eb6 (このIDを非表示/違反報告)
たかせ(プロフ) - 藍知さん» こちらこそ、最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年4月6日 11時) (レス) id: 66eef8f813 (このIDを非表示/違反報告)
藍知(プロフ) - 一気に読んでしまいました。素敵なお話をありがとうございます。 (2020年4月6日 5時) (レス) id: 327f8bffcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たかせ | 作成日時:2020年4月4日 12時

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