球団職員に花束を。

□.10 球団職員に花束を ページ11

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27「A、こっち来て」

56「早く早く」

「えっ、なぁに？」



同級生のうさみん…宇佐見真吾と、やすくん…山本泰寛に手を引かれる。

言われるまま立ち上がって、連れてこられたのは特等席。

巨人軍全員を見渡せる場所。


皆さんが私に温かい拍手を送ってくれてる。

泣きそうな人もいれば、笑顔な人もいて。



7「えー、今日でジャイアンツを退社するAちゃんに、感謝の気持ちを込めて！

代表して、選手会長の智之から挨拶があります！」


ビール片手に長さん、立ち上がる智之くん。

え、え、なになに？

こんなサプライズ…聞いてないよ。

てっきりわちゃわちゃして終わるものだと思ってた。



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19「えー、1年間僕達の球団職員を頑張ってくれたAちゃんが、ファイターズに異動になりました。

これまでたくさんお世話になったので、皆さんAちゃんに感謝の気持ちを送りましょう！」


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7「Aちゃん最高！」

6「かわええよ〜」

10「よっ！」

49「あっちでも頑張れよ〜」

50「あれ、椋丞泣いてる」

30「泣いてない…ｽﾞﾋﾞｯ」

9「いつでも戻ってこいよー」

61「1年間ありがとう！」



ああ

今度こそほんとに、泣きそうだ

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19「えー、ここで全員を代表して、キャプテンの勇人さんから花束の贈呈があります！


僕達の球団職員に、花束を！」



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皆さんの温かい視線と拍手と共に、いつの間に花束を持っていたんだろう。

穏やかに微笑んだ勇人さんが、私の前に立った。

豪華すぎるくらい、色とりどりの花。

阿部さんの2000本安打の時より、大きいんじゃない？


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「勇人さん、」

6「1年間ありがとな」

「こちらこそ、お世話になりました」

6「向こうで監督のことお父さんって言い間違えんなよ？」

「もう…間違えませんよ」



冗談冗談。とにししと笑った勇人さん。

勇人さんと目が合った瞬間…我慢してた涙がこぼれ落ちた。



32「泣いちゃったよAちゃん」

61「泣き顔も可愛いな」

「皆さん大好きです…ｽﾞﾋﾞﾋﾞ」

7「俺達も大好きだよ、な？」

25「僕も好きです」



ジャイアンツの皆さんに囲まれて、泣きじゃくる私。

そんな私の頭をずっと撫でてくれていたのは、



6「Aちゃんなら、向こうでも頑張れるで」



勇人さんだった。









22「すみません、まだやってます？」

90「こんばんはー」



10「おお、おかえり」

9「お疲れ！」





終了間際にやってきたのは

2人の侍たちだった。

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